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2001 年度 実績報告書

天然由来多糖へ葉酸残基を修飾した癌細胞特異的材料の設計

研究課題

研究課題/領域番号 12555262
研究機関新居浜工業高等専門学校

研究代表者

砂本 順三  新居浜工業高等専門学校, 校長 (80037811)

研究分担者 早瀬 伸樹  新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 助教授 (00311100)
牛尾 一利  新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (30203508)
真鍋 昌裕  新居浜工業高等専門学校, 生物応用化学科, 教授 (70044089)
キーワード癌細胞特異的ドラッグキャリアー / 葉酸 / 疎水化多糖 / 葉酸残基修飾疎水化多糖 / 細胞内移行 / DDS
研究概要

本研究では、癌細胞特異的な抗癌剤キャリアー開発の一環として、多くの癌細胞において葉酸レセプター発現レベルの上昇が見られることに着目し、先年度、葉酸リガンドで部分的に修飾した疎水化多糖(Fol-CHP)を合成した。
今年度は、まず、Fol-CHPと制癌剤として多く利用されているドキソルビシン(DOX)との安定な複合体生成条件の検討を行い、引き続いて、癌細胞と正常細胞への増殖阻害効果を検討した。ドキソルビシンは細胞分裂速度の速い癌細胞には大いに有効であるが、もちろん正常細胞にも毒性を示すことが知られている薬剤であり、単独で利用する場合、投与条件には細心の注意が必要である。もし、安定なFol-CHP-DOX複合体が調製できれば、葉酸レセプターレベルの高い癌細胞を治療する場合、単独投与の場合に比較してより副作用の少ない癌細胞高選択的ナノパーティクル薬剤となろう。
今回の実験では葉酸レセプター高発現癌細胞としてヒトロ腔癌細胞KB(TKG-4010)、正常細胞としてはヒト胎児肺繊維芽細胞TIG-1-20(JCRB-0501)を用い、Fol-CHP単独、DOX単独、Fol-CHP-DOXナノパーティクルの作用を比較検討した。その結果、Fol-CHP自身は何ら増殖阻害毒および癌増殖促進を示さないことが判明した。また、DOX単独の場合、正常細胞に毒性を示さない濃度では癌細胞にもほとんど効果がなく、癌細胞にアポトーシス誘導効果がある比較的高濃度では正常細胞をも死にいたらしめた。他方、Fol-CHP-DOXナノパーティクルは、DOX濃度として正常細胞には何ら毒性を示さない低濃度でも、DOX癌細胞には毒性を示した。また、DOX濃度を高くした場合、癌細胞はほぼ死滅したが、正常細胞は生存しうる投与条件を見いだすこともできた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] J.Sunamoto et al.: "Modification of Phosphatidylcholine Liposomes with Poly(ethylene oxide)-Substituted Lipid"J. Bioactive and Compatible Polym. 16. 167-193 (2001)

  • [文献書誌] J.Sunamoto et al.: "Mobility of Poly(ethylene oxide) Segments on Surface of Lecith in Liposomes"J. Bioactive and Compatible Pohym. 16. 194-205 (2001)

  • [文献書誌] J.Sunamoto et al.: "Mid-Membrane Photolabeling of the Transmembrane Domain of Glycophorin A in Phospholipid Vesicles"Angew. Chem. int. Ed.. 40. 944-946 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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