研究課題/領域番号 |
12555273
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
麻生 茂 九州大学, 工学研究院, 教授 (40150495)
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研究分担者 |
滝 史郎 広島大学, 工学部, 教授 (20020240)
利光 和彦 九州大学, 工学研究院, 助手 (10180150)
西田 迪雄 九州大学, 工学研究院, 教授 (10025968)
志田 坦也 三菱重工業(株), 長崎研究所, 主査(研究職)
藤原 俊隆 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90023225)
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キーワード | デトネーション / イクスパンションツーブ / 高エンタルピー流 / 超軌道速度 / 双曲線軌道 / 空力加熱 / サンプルリターン / 突入体 |
研究概要 |
サンプルリターンミッションや火星や木星大気への突入体が双曲線軌道飛行体の地球大気及び惑星大気への突入において飛行体へ加わる最大空力加熱時には、飛行体先端部におけるマッハ数20以上、衝撃波背後の気体温度1万度以上となり、著しい高温効果(解離、振動エネルギー、電子エネルギー、化学非平衡、温度非平衡など)を伴う。このために地上で飛行環境に近い条件で実験を行い、飛行体の空力加熱率分布や圧力分布を調べるための試験装置が必要がある。 本研究の目的は、このような飛行環境を作り出す新しい試験装置として、デトネーション駆動で得られた強い衝撃波をそのままイクスパンションユーブヘ導き、加速することにより、気体の解離をほとんど伴わない、寸法の大きさによる影響(バイナリースケーリング)を除けば大気再突入の正確な空力加熱実験が再現できる装置を試作研究することにある。 本年度は、イクスパンションチューブの駆動特性の研究、デトネーション管の諸特性の研究を行った。その成果は、以下のようである。 1)最も重要なイクスパンションチューブで実際にどのような加速が可能であるかを調べるために、イクスパンションチューブの特性について理論解析と実験を行った。実験は、フリーピストン衝撃波管より強い衝撃波を発生させて、イクスパンションチューブに導入して、試験気体の加速性能を調べた。その結果、イクスパンションチューブ内で最大衝撃波マッハ数34.5、試験気体流速の推定値として9.8km/sを達成できた。 2)デトネーション駆動部に対する理論的検討を行い、デトネーション駆動部に対する動作特性を把握した。また、デトネーション駆動部に求められる諸条件を満たすような諸元を決定し、デトネーション駆動部イクスパンションチューブの諸特性を把握した。 以上、当該研究課題について初年度計画していた内容をほぼ達成できた。
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