研究課題/領域番号 |
12555281
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中村 昌彦 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (40155859)
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研究分担者 |
織田 博行 三井造船昭島研究所, 制御エンジニアリング部, 副部長(研究職)
梶原 宏之 九州大学, 工学研究所, 教授 (30114862)
小寺山 亘 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (80038562)
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キーワード | 水中ビークル / 高精度位置制御 / 運動制御 / 巡航 / 自律 / スラスター / 水平尾翼 |
研究概要 |
近年地球環境に関する研究の為の海洋調査・観測、海洋資源探査等に水中ビークルが使われることが多くなってきた。これらの調査・観測・探査は広い範囲を広域的に行う必要のあるものと、小さな範囲を局地的に密度濃く行う必要の有るものに分けられる。そこで局地観測が必要な点で詳しい調査・観測を行った後次の地点にそのまま高速で移動できる、高精度位置制御可能型水中ビークルの長所と巡航型のビークルの長所を併せ持つビークルの開発が望まれる。 本年度研究ではまず(昨年度行ったスラスター性能試験で指令電圧がゼロ近傍で不感帯が存在し、高精度な制御を行う為には動特性を改善する必要がある事が分かったので、)スラスターアンプの改善を行った上、再度スラスター性能試験を行い、ビークルの制御を行う上で十分な性能を発揮する事を確認した。次に昨年度製作した1/2ソリッドモデルを使用して、機体の抵抗、水平尾翼が発生する揚力等の流体力、機体が迎角を持った場合の流体力、機体が斜航角を持った場合の流体力等の静的な流体力計測を行い、昨年度得られなかった横方向の体力係数を含めてすべての静的流体力係数の値を得た。さらに、回流水槽で、前後揺れ、左右揺れ、上下揺れ、横揺れ、縦揺れ、船首揺れの6状態について強制動揺実験を行う事により、付加質量、ダンピング等の動的な流体力計測を行った。得られた流体力係数の一部は静的な流体力計測でも得られるものであり、これらについて比較した。得られた流体力係数を用いてビークルの運動を記述する6自由度数学モデルを構築し、6自由度運動シミュレーションプログラムの作成を行った。 制御方法に関しては、位置・方位角制御、深度制御について検討し、引き続きゲインスケジューリング手法の改善を図った。また、検討を続けてきた(非線形制御が可能であり、外乱等の変化に対して学習能力を持たせる事ができる)ニューラルネットワークを利用したコントロール方法については、スラスターのついた浮体にコントローラーを実装し、水槽で位置制御実験を行い、性能を確認した。 最後にビークルの速度・深度・ロール等色々な制御能力が上記海洋観測に十分なものであるか検討を加えた。
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