研究課題/領域番号 |
12555285
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
芝田 隼次 関西大学, 工学部, 教授 (70067742)
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研究分担者 |
若松 貴英 名城大学, 都市情報学部, 教授 (50025897)
村山 憲弘 木村化工機(株), 研究開発部, 研究員
山本 秀樹 関西大学, 工学部, 助教授 (30174808)
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キーワード | 環境保全 / 無害化処理 / 特殊材料ガス / 半導体工業 / 3塩化ホウ素 / 4フッ化炭素 / 金属酸化物 / 金属塩化物 |
研究概要 |
フッ素系および塩素系特殊ガスを金属塩化物、金属酸化物との化学反応を用いて無害化処理するための基礎研究を行った。実験にはフッ素形特殊ガスとして4フッ化炭素(CF_4)、塩素系特殊材料ガスとして3塩化ホウ素(BCl_3)を用いた。処理剤として塩化アルミニウムおよび酸化カルシウムを用いて行った。提案する化学反応の反応条件(温度、反応率)を確かめるために、ハステロイ製の耐圧セル(内容積60ml、最大30気圧)とパネルヒーターを組み込んだ実験装置を用いた。実験は乾燥した塩化金属および酸化金属を秤量して、セル内に導入した後、反応セルおよび装置配管内を真空ポンプで約10分程度脱気する。フッ素系ガスは任意の圧力でセルに導入され、パネルヒターにより一定の速度で昇温される。固体試料の昇温速度は80℃までは3℃/分で行い、予測される反応開始温度付近では約0.5℃/分の昇温速度を保った。この間、温度と圧力は自動記録装置で連続的に記録した。本装置によって、特殊ガスと反応物の反応前後の温度変化と圧力変化が計測可能である。実験によって得られた反応生成物はX線解析装置(X-RAY Diffractometer System,日本電子(株))によって定性分析することにより確認した。 特殊ガスと塩化金属および酸化金属を反応容器にそれぞれ等モル導入し、化学反応させる過程における温度、圧力および反応剤量の影響を調査した。4フッ化炭素と塩化アルミニウムの場合、約180℃で処理可能であった。3塩化ホウ素と酸化カルシウムの場合は400℃から500℃で化学反応が起こることを明らかにした。特殊ガスの一般処理に適用されている高温燃焼処理(800℃)に比較して、提案する方法はかなり低温で処理できることを明らかにした。また、それぞれの化学反応の反応率は特殊ガスと反応剤を等モル比で導入した場合ほぼ100%反応した。このことから、フッ素系および塩素系の特殊材料ガスは金属塩化物および金属酸化物によって180℃から500℃の低温で無害化4フッ化炭素処理できることが明らかになった。
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