昨年度までの研究成果を基に、研究計画の最終年度として、以下の実験的研究を行い、研究成果をまとめた。 (1)時間制御起爆システムを使用した破断面制御に関する実験 切り欠きガイドホールを使用して、まず、予定破断面に沿うき裂を進展させた後に、破壊領域に装着させた2孔めの装薬を起爆して破壊させる時間制御爆破実験を行った。供試材にPMMA板(市販のアクリル板)を使用して、き裂と応力波の干渉挙動を連続可視化観察した。実験では、応力波と伝ぱするき裂の干渉のタイミングがその後のき裂挙動に及ぼす影響について調べた。実験の結果、伝ぱするき裂の前方に2孔目の起爆によって生じた応力波が通過すると、き裂の伝ぱ方向が応力波の伝ぱ方向へ屈曲することが明らかになった。予定破断面にそってき裂が進展した後に、2孔めの起爆によって生じたき裂が干渉する場合は、そのき裂が予定破断面を越えては進展しないことが明らかになり、仕上げ面形成のための時間制御起爆法の有効性が実験的に明らかになった。 (2)時間制御起爆システムを使用して、応力波の進行方向を横切るき裂がない場合とある場合について、応力波によって生じる動ひずみのピーク値を比較し、予定破断面に沿ったき裂を通過する応力波の減衰を定量的に明らかにした。
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