研究課題/領域番号 |
12556001
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
三上 哲夫 北海道大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50133715)
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研究分担者 |
田中 征勝 農林水産省, 北海道農業試験場・畑作研究センター, 室長(研究職)
貴島 祐治 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60192556)
久保 友彦 北海道大学, 大学院・農学研究科, 助手 (40261333)
池口 正二郎 ホクレン農業組合, 研究所, 主任研究員
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キーワード | テンサイ / 細胞質雄性不稔性 / 稔性回復核遺伝子 / AFLP / RFLP / BACライブラリー / ポジショナルクローニング / X遺伝子 |
研究概要 |
今年度得られた研究成果は次の通りである。 [1]Rfと密接に連鎖するAFLPマーカー AFLP解析を進めることにより、稔性回復核遺伝子(Rf)を挟んで3cM以内に6個のマーカーを設置することに成功した。しかも、このうち2個はRfと完全に共分離する。また異なる交配組み合わせを用いた集団においても、これらのマーカーはほぼ同様の分離を示すことを確かめた。 [2]マーカーの帰属する連鎖群 従来用いていた集団とは別に、細胞質雄性不稔系統1-12CMS(R)を反復親とする連続戻し交配により育成した集団を供しRFLP分析を行い、得られたマーカーの帰属する連鎖群を決定した。その結果、全てのマーカーはドイツキールグループのいう第3連鎖群(ケルングループの第4連鎖群に相当)に位置することが分かった。テンサイの細胞質雄性不稔においては2個のRf(X,Zと称す)が補足的に働いている。今回得られたマーカーはいわゆるX遺伝子に隣接することが明らかになった。今後X遺伝子単離に向けてポジショナルクローニングを進める予定である。また、もう一方のRf遺伝子(Z)についても、連鎖するマーカーの単離を進めたい。 [3]BACライブラリーの作製 BAC (Bacterial Artificial Chromosome)ライブラリーの構築を進めた。その結果、約3万クローンを集めることに成功した。予備的に調査したところ、平均挿入断片長は約100kbpであった。このようにポジショナルクローニングに必要となるクローンを集めることに成功したが、挿入断片長の短いクローンが少なからず含まれていること、ならびにオルガネラDNAの混入の可能性を排除できない、といった問題点が残されており、ライブラリーの評価を厳密に行う必要がある。
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