研究課題/領域番号 |
12556003
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
島田 浩章 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (70281748)
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研究分担者 |
門脇 光一 独立行政法人・農業生物資源研究所, 基盤研究部門, チーム長
千葉 丈 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (30100085)
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キーワード | B型肝炎ウィルス抗体 / イネ / 植物工場 / 水モミ / プロモーター / ショ糖合成酵素 / SPK / サトウキビ |
研究概要 |
SPKを抑制することで未熟種子のデンプン生合成が阻害されて水モミとなるため、ここに物質を蓄積させる条件を調べた。水モミではSPKの標的であるショ糖合成酵素のリン酸化活性が著しく低下することが明らかになり、これが水モミの原因であることが示唆された。そこで、モデル化合物である抗菌ペプチドを水モミに産生させることを試みた。その結果、水モミ中に抗菌活性を有する物質が産生していることが明らかとなった。そこで、効率よい遺伝子発現をめざし、さまざまなプロモーターの利用を試みた。 組換え抗体の活性強化と安定性および産生量の増大のためにScFvの形ではなくFab断片を植物で発現させることをめざした。Fab断片を得るためにはH鎖とL鎖タンパク質を独立に発現させる必要があり、そのためにウイルス由来のIRESの利用が有効である。そこで、タバコモザイクウイルスおよびポリオウイルスのIRESがイネでも働くかどうかの検証を試みた。イネ緑葉中で発現することが証明されているB型肝炎ウイルス表面抗原に対するヒト抗体T6JのL鎖およびH鎖の遺伝子をそれぞれのIRESで結合させて動物発現用プラスミドを構築し、このプラスミドを導入したヒト肝がん細胞の抽出液で抗HBs抗体活性を検出した。このプラスミドを用いて植物発現用のバイナリーベクターを構築することで、抗体Fab断片の発現について動物と植物のウイルス由来のIRESのどちらが適しているかを検証できると考えられる。 物質生産のための宿主としてサトウキビの利用と形質転換法を検討した。宿主の系統として「Singapor」と「NCO310」が有効であった。選択マーカーとしてハイグロマイシン耐性を用いたが、通常、イネで用いられる濃度では阻害効果がなかったため、至適濃度を検討し、200mg/1が有効であることを明らかにした。この条件で組換え体を選抜中である。
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