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2000 年度 実績報告書

有用作物品種の水ストレス耐性評価法の開発と品種選抜への応用

研究課題

研究課題/領域番号 12556009
研究機関東京大学

研究代表者

山崎 素直  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (00011982)

研究分担者 大久保 明  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20111479)
一前 宣正  宇都宮大学, 野生植物科学研究所, 教授 (50008067)
武田 和義  岡山大学, 資源生物科学研究科, 教授 (90003516)
安保 充  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00272443)
キーワード浸透圧調節物質 / 適合溶質 / glycine betaine / オオムギ / 品種選抜 / 水ストレス / 耐塩性 / 耐乾燥性
研究概要

筆者らが開発した適合溶質分析法は、乾燥、高温・低温、塩などの水ストレス下で植物が細胞内に誘導合成する浸透圧調節物質(適合溶質)を簡便・迅速に定量する方法である。この適合溶質分析法を中国の塩類土壌地帯で採取した野生植物や栽培作物に応用した結果、グリシンベタインは広範な植物種の耐塩性因子として存在すること、またNa集積植物については細胞内Na濃度と適合溶質の誘導蓄積量に正の相関があることを見出した。また、耐乾燥性・耐塩性の強度が分かっているオオムギ数十品種の適合溶質分析を行ったところ、遺伝学的に解析された耐塩性の強度と適合溶質濃度とが良い相関を示すことが分かった。これらの知見から、筆者らは誘導された適合溶質量から逆にその植物のストレス耐性を評価できないか、という考えに至った。本研究は、適合溶質分析法を水ストレス耐性植物の一次スクリーニング法として応用することにより確実で迅速・簡便な耐性評価法を確立すること、さらにこれを実際の乾燥地や塩類土壌地帯の有用作物品種について耐性品種選抜に広く応用し、実用性を検証することにある。
一方、武田は植物の各種ストレスに対する耐性遺伝子の解析を進めてきた。特にオオムギの系統保存施設では履歴の明らかなオオムギ栽培品種約8,000と野生種300余が世界中から集められ、特性評価が進められた。このマーカー情報の完備した倍加半数体系統を利用してQTL(quantitative trait loci)のファインマッピングにより、各種のストレス耐性の遺伝学的解析が進められた。すでに約6,700品種のオオムギ品種の発芽時と幼植物の耐塩性が検定された。先に述べた適合溶質分析の結果とこの遺伝子学的解析結果が良い相関を示すことが分かった。本研究ではさらに検体数を増やし、この両者の関係を徹底的に解析するとともに、同じく遺伝形質の判別されているコムギや陸稲をはじめ有用作物の耐性評価法として本法を発展させることを目指して分析を継続中である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] N.Nishimura,J.Zhang,M.Abo,S.Yamazaki: "Application of capillary electrophoresis to the simultaneous determination of betaines in plants."Anal.Sci.. 17. 103-106 (2000)

  • [文献書誌] W.Rong,S.Yamazaki, et al.: "Effect of glycinebetaine application on growth and development of leguminous plants."Proc.China-Japan Joint Symposium,Xi'an. 171-175 (1999)

  • [文献書誌] s.Yamazaki, et.Al.: "Physiological roles of glycine betaine-Relation to salt tolerance of plants-"Proc.China-Japan Joint Symposium,Xi'an. 163-170 (1999)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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