研究課題/領域番号 |
12556010
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
神尾 好是 東北大学, 大学院・農学研究科, 教授 (00109175)
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研究分担者 |
阿部 直樹 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (90202671)
金子 淳 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (30221188)
冨田 敏夫 東北大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (00126129)
白石 廣行 宮城県保健環境センター, 微生物部, 部長(研究職)
宇賀 俊之 (株)JBBステビア研究所, 研究員(研究職)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | ステビア / 植物成分 / 殺菌物質 / 家畜 / 病原菌 / 治療 / 予防 / 増体促進 |
研究概要 |
本研究者らは新規殺菌物質を探索する目的で、パラグアイ原産のキク科植物、ステビアの熱水抽出物を自然発酵させたステビア発酵液の殺菌作用を検討した。その結果、ステビア発酵液はサルモネラなど食中毒菌に対して強力な殺菌作用を示すが、正常な腸管フローラ保持に有用なビフィズス菌および乳酸菌を殺菌しないことが明らかになった。本展開研究においては、(1)ステビア発酵液の酢酸エチル画分をODSカラムクロマトグラフィ、陰イオン交換カラムクロマトグラフィ、シリカゲル薄層クロマトグラフィによって分画して殺菌活性画分を得た。この画分は1mg/mlの濃度で37℃で1時間、大腸菌に対して作用させると、10^8個/mlの生菌数を10^2個/mlにまで低下させた。この殺菌成分は、可視光に曝露されると暗紫色に変化して殺菌活性を失った。核磁気共鳴法、質量分析法によって構造決定を進めている。(2)子ウシ(60kg)に10^9個のネズミチフス菌を経口投与し、感染の成立を確かめた後に、ステビア発酵液の経口投与(200ml,3回)をおこなった。糞便中のサルモネラ生菌数は10^7個/mlから10^5個/mlへ低下し、サルモネラの腸管組織浸襲を低減した。(3)抗生物質を使用しない豚肉生産を目指して、ステビア発酵液を小豚に投与して生育を検討した。離乳期の子豚20頭を1グループとして、離乳前後42日間、1頭につき1日当たり発酵液5mlを投与した。その結果、下痢の発症率が著しく低下して、発育不全の豚がなくなり、良好な生育が見られた。体重増加が高まり、体重105Kgに達する日数が約1カ月短縮され、筋肉質の体型となった。(4)採卵鶏にステビア発酵液(0.08%)を15日間投与した結果、ブドウ球菌の感染率に有意な低下が見られた。
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