研究課題/領域番号 |
12556012
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 渥夫 京都大学, 工学研究科, 教授 (80026088)
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研究分担者 |
植田 充美 京都大学, 工学研究科, 助教授 (90183201)
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キーワード | 細胞表層工学 / アーミング酵母 / アーミング / GPIアンカー / ペプチド / エピトープ / ワクチン / 抗原 |
研究概要 |
酵母で働く分泌シグナルをN末端に、細胞膜にリン脂質を介して留まるGPI-アンカーシグナルをC末端にそれぞれ配置した、我々のこれまで開発してきた遺伝子工学的細胞表層提示システム、「細胞表層工学」、を用いて、多くの感染ウイルスのコートタンパクのエピトープ領域に相当する抗原ペプチドを、遺伝子工学的に経口でもまた注射としても人体にとっては安全な酵母細胞表面に輸送局在提示した酵母細胞を作製し、本抗原提示細胞をそのまま用いた一種のアジュバンド(免疫増強担体)一体化細胞ワクチンとして、特にヒトや家畜や養殖魚などへの新しい形態の生細胞ワクチンとしての活用をめざしている。今年度は、抗原決定部位(エピトープ)程度のサイズの機能性ペプチドをコードする遺伝子を作製し、酵母の細胞表層で発現させたペプチドが活性を持つことを証明した。具体的には、重金属イオンを特異的に吸着するオリゴヒスチジンを細胞表層に提示し、吸着した重金属イオンを指標に細胞表層で発現させたオリゴヒスチジンの機能や活性を評価した。我々の細胞表層提示システムに上記で作製した遺伝子を組み込んで、そのペプチドを高発現させるとともに細胞表面に輸送局在提示した細胞を作製し、蛍光顕微鏡を用いて細胞内や細胞表層上の遺伝子工学的構築産物をとらえるとともに、作製した細胞が重金属イオンを特異的に吸着する機能を試験管内で確かめた。この結果より、抗原決定部位(エピトープ)程度のサイズの機能性ペプチドをコードする遺伝子も、我々のこれまで開発してきた遺伝子工学的細胞表層提示システムにより、十分に機能発現させうることが証明され、新しい形態の生細胞ワクチン作製への足場が確立した。
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