研究課題/領域番号 |
12556013
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片岡 道彦 京都大学, 農学研究科, 助教授 (90252494)
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研究分担者 |
守川 忠志 電気化学工業(株), 総合研究所, 研究員
小川 順 京都大学, 農学研究科, 助手 (70281102)
清水 昌 京都大学, 農学研究科, 教授 (70093250)
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キーワード | β-ヒドロキシ-α-アミノ酸 / アルドラーゼ / スレオニン |
研究概要 |
本研究では、微生物酵素の持つ立体選択性を利用した効率のよい実用性のある光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノ酸の生産法の確立を試みた。すでに見出している立体選択的反応を触媒する数種類のβ-ヒドロキシ-α-アミノ酸アルドラーゼ(スレオニンアルドラーゼ)について遺伝子のクローニングを行い、その遺伝子を形質転換した大腸菌を用いて、生産効率・光学収率を上げるための検討を行った。Alacligenes xylosoxidansより低立体選択性D-スレオニンアルドラーゼ遺伝子を大量発現させた大腸菌菌体を直接触媒として、DL-threo-β-(3,4-methylenedioxyphenyl) serine (DL-MDOPS)に作用させたところ、D-体のみをアルドール開裂してL-MD0PSのみを定量的に残存させることに成功した。L-MDOPSは、工業的にL-threo-β-(3,4-dihydroxyphenyl) serine (L-DOPS; パーキンソン病治療薬)の合成中間原料として利用できる光学活性β-ヒドロキシ-α-アミノ酸である。また、Aeromonas jandaei DK-39の生産するスレオニンアルドラーゼはL-a11o-スレオニンびのみ作用する酵素であるが、この酵素遺伝子に対して進化工学的遺伝子変異処理(ランダム変異)を行うことで、本来作用しないL-スレオニンに対する活性を示す酵素への立体選択性改変に成功した。また、この立体選択性の変化した変異型酵素の精製・単離を行い、酵素自体の立体選択性が変化していることを確認した。これらの変異型酵素のアミノ酸置換の解析結果から部位特異的変異法による他のアミノ酸への変異を行い、さらに立体選択性の異なる変異型酵素の創生を試みている。
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