研究課題/領域番号 |
12556020
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
寺尾 純二 徳島大学, 医学部, 教授 (60093275)
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研究分担者 |
文 斉鶴 徳島大学, 医学部, 助手 (20322258)
室田 佳恵子 徳島大学, 医学部, 助手 (40294681)
山西 倫太郎 徳島大学, 医学部, 助教授 (30253206)
瀧 孝雄 大塚製薬(株), 分子科学研究所, 所長(研究職)
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キーワード | 過酸化脂質 / TLCブロット / 動脈硬化症 / 変性LDL / 脂質ヒドロペルオキシド / 血漿脂質 / コレステロールエステル / リン脂質 |
研究概要 |
本年はTLCブロット法の応用開発を試みた。ひとつは本法による食品素材の過酸化脂質還元消去活性の簡易測定法であり、もうひとつは本法による簡便な抗酸化物の効力測定法である。 (1)食品素材の過酸化脂質還元消去活性の簡易測定法 脂質ヒドロペルオキシド(LOOH)は直接あるいは間接的に生体傷害をもたらす因子であり、グルタチオンペルオキシダーゼ(GP-X)による還元消去は生体防御にとって必要不可欠である。食品に本作用物質が存在すれば、これは新規な抗酸化機能物質として注目される。本作用物質のスクリニーング法としてリン脂質ヒドロペルオキシド(PLOOH)と脂肪酸ヒドロペルオキシド(LAOOH)の還元能をTLCプロットで解析することに成功した。本方法によりネギに強い還元作用をみとめた。一方、他の野菜ではその還元能は弱く、活性発現にグルタチオンの存在を必要とした。 (2)生体モデルでの抗酸化活性測定を目的として、ヒト血漿リポタンパク(LDL)の酸化変性に対する抗酸化物質の効果測定にTLCブロットを応用した。LDLを銅イオンで強制酸化し、抽出せずそのままTLCブロツト分析に供したところ、コレステロールエステルの酸化物に由来する蛍光が出現し、しかも抗酸化剤の共存により蛍光スポットは減少した。スポット部分は簡単抽出でき、さらにこれをHPLC分析に供することもできた。したがって、本法は脂質抽出を省いた生体試料からの過酸化物単離と確認が可能であり、簡便な抗酸化物効力測定法として利用可能であることが明らかとなった。
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