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2000 年度 実績報告書

紙ゴミおよび製紙スラッジ系焼却灰のリサイクル利用システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 12556025
研究機関東京大学

研究代表者

磯貝 明  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (40191879)

研究分担者 江前 敏晴  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (40203640)
松本 雄二  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (30183619)
空閑 重則  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (60012051)
青柳 哲夫  (株)紙パルプ研究所, 主席研究員
矢口 時也  王子製紙(株), 上級研究員
キーワード製紙スラッジ / ゴミ / 焼却灰 / リサイクル / 填料 / 紙 / 環境 / 製紙
研究概要

1.都内5ヶ所の清掃工場からゴミ焼却灰5試料、国内13の製紙工場から、製紙スラッジおよびその焼却灰を収集し、それらの元素を蛍光X線分光装置によって分析した。その結果、3者とも主成分はカルシウム、アルミニウム、ケイ素であり、清掃工場のゴミ焼却灰が、主に紙ゴミ由来であることを示唆していた。紙の中には填料としてアルミニウム、カルシウム、ケイ素などから成る無機粉体を添加し、紙に不透明性、白色度向上機能を付与している。従って、清掃工場から排出される焼却灰を再び紙の填料としてリサイクル利用することは、紙の中のパルプ成分だけではなく、紙成分全体のリサイクルシステムの構築につながる。
2.製紙スラッジの燃焼温度と、生成する灰の白色度、含有元素、収率の関係を300〜1000℃の焼却条件で検討した。その結果、白色度が最大となり、ダイオキシンの発生が抑えられる800℃の焼却条件を最適とした。得られた焼却灰の白色度は約60%、ゼータ電位は-2mV、粒子形状は不規則で最大数十ミクロンの大きさであった。
3.そこで、上記の条件で調製した製紙スラッジ由来の焼却灰を填料としてリサイクル利用することを考慮し、対パルプで0〜20%添加して手すきシートを作製した。対照として内添用の炭酸カルシウムを用いた。その結果、定着量、不透明度、強度は問題なく使用目的によっては実用化が可能であった。一方、白色度は70%程度まで低下した。
4.上記焼却灰を塗工顔料成分として塗工紙を作製して基礎的物性を測定した。粒子径が大きいために表面粗さが上昇してしまい、粒子形の微粉砕化が必要であった。
5.以上の結果から、最適条件で調製した製紙スラッジ焼却灰は、填料として内添リサイクルすることが可能である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Isogai,A.: "Paper sizing by liquid-type ketene dimers"Nordic Pulp and Paper Research Journal. 16(in press). (2001)

  • [文献書誌] B.-Y.Kim and Isogai,A.: "Alkylketene dimer sizing of mechanical pulp"Appita Journal. 54(in press). (2001)

  • [文献書誌] Isogai,A.: "Effect of alkylketene dimer treatments on water repellency of various compounds"Sen'i Gakkaishi. 57. 1-6 (2001)

  • [文献書誌] Sato,T., et al.: "Autoxidation : Predominant mechanism of size reversion for ASA-sized paper"Nordic Pulp and Paper Research Journal. 15. 172-176 (2000)

  • [文献書誌] Kato,M., et al.: "Studies on interactions between Al compounds and cellulosic fibers"Journal of Wood Science. 46. 310-316 (2000)

  • [文献書誌] Kato,M., et al.: "Intrafiber distribution of aluminum compounds in alum-treated handsheets"Journal of Wood Science. 46. 75-78 (2000)

  • [文献書誌] 磯貝明: "セルロース材料科学"東京大学出版会. 182 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2021-09-21  

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