研究課題/領域番号 |
12556030
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
山内 晧平 北海道大学, 水産科学研究科, 教授 (10109514)
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研究分担者 |
三浦 猛 愛媛大学, 農学部, 教授 (00261339)
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キーワード | 遺伝子導入 / エレクトロポレーション / 再集合培養 / 精巣器官培養 / ニホンウナギ / 精子形成制御因子 / 精原幹細胞増殖因子 / 減数分裂 |
研究概要 |
昨年度開発された、エレクトロポレーション法によるウナギ精巣細胞への外来遺伝子導入法を用い、ウナギ精子形成関連因子(eSRS)のうち、特にその機能が明らかとなっているeSRS21(精子形成抑制因子)およびeSRS34(精原幹細胞増殖因子)の機能が発現するか否かを解析した。CMVプロモータに連結したeSRS21cDNAおよびeSRS34cDNAをウナギ生殖細胞および精巣体細胞の再集合体に電気的に導入を試みたところ、各cDNAは効率良く各細胞に導入され、導入したcDNA由来のmRNAの発現が認められた。これら外来遺伝子を強制発現した再集合体の生殖細胞を組織学的に詳しく調べたところ、eSRS21導入群では、精子形成誘導ステロイド:11-ケトテストステロンにより誘導される精子形成過程を有意に抑制し、eSRS34導入群では精原幹細胞の再生増殖分裂が、同分裂誘導ステロイド:エストラジオール-17β処理の場合と同様に誘導された。以上より、エレクトロポレーション法による未知機能遺伝子の精子形成への作用を解析する実験系が確立された。 ウナギの試験管内での精子形成過程を生体内での精子形成過程と比較したところ、試験管内で作製された精子(試験管内精子)は、生体内精子と同様、減数分裂を経た半数体であることが明らかとなつた。しかし試験管精子は、運動能を有さず、また精巣内精子で多く認められるヒストンH1の発現が極めて弱いことが明らかとなった。以上より試験管内精子を実際に受精に使う際には、顕微授精等の何らかの人為的な方策が必要であると考えられた。
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