研究分担者 |
森下 一男 香川大学, 工学部, 助教授 (80036061)
宇波 耕一 京都大学, 農学研究科, 講師 (10283649)
平松 研 京都大学, 農学研究科, 講師 (90271014)
吉武 美孝 愛媛大学, 農学部, 教授 (20033326)
櫻井 雄二 愛媛大学, 農学部, 教授 (00036427)
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研究概要 |
本研究の目的は,第一に,現在における溜池の実態諸相を解明すること,第二に,それらを踏まえて溜池の持続的なワイズユース(賢明な利活用)を実現するための管理・保全戦略を構築,提示することである.本年度は,主として試験溜池等についての現地調査・観測を通じて課題の展開に必要な基礎的データ・資料を収集した.より具体的には,以下の通りである. ・溜池の洪水調節機能に関し,東池(滋賀県)に雨量計ならびに圧力式水位計を設置し,10分毎のデータを継続的に自動収集した.収集したデータを直接用いて流出過程を記述する線形モデルを同定し,キネマティック法による数値モデルとの整合性を検討した. ・水利統合地区の先駆的事例である香川県仲南町の「木こく池水利組合」のフィールド調査を行った. ・逆瀬池(愛媛県)の堤体の漏水調査を行い必要なデータを収集した.また,溜池の貯水位を低下・上昇させることによる地山や堤体内の水温と漏水量の関係に着目し,漏水経路の検討を行った. ・兵庫県南部地震の際被災した淡路島の椋本池・泉中池・折ヶ谷池・荒神池・井出の尻池の5つの溜池堤体を調査対象とし,改修後の溜池について弾性波実験を実施し,理論・数値解析により堤体の振動モデルを構築し,固有振動数解析を実施した. ・溜池の嵩上げが行われた農業用ダム(愛媛県)について,湛水前の流入水質について観測を行った.また,集水面積が5〜61haのため池8ヶ所について、流入部と流出部における表層水の水質18項目を測定し,集水面積と各水質項目間の相関を調べた. 滋賀県水口町の溜池について現地踏査および管理者へのアンケートを行い,溜池の水環境調査を行い,管理・利用実態と溜池の水質・生態系との関連を検討した.
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