研究課題/領域番号 |
12556042
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
谷 晃 東海大学, 開発工学部, 講師 (50240958)
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研究分担者 |
鱧谷 憲 大阪府立大学, 農学部, 助手 (30264815)
林 真紀夫 東海大学, 開発工学部, 教授 (60092087)
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キーワード | モノテルペン / 自動濃縮採取装置 / フラックス / 微気象観測 / 濃縮管 / 電動アクチュエーター |
研究概要 |
森林群落上2高度で採取したテルペンガスの濃度差から森林群落のテルペン発散フラックスを求めるために、2経路のガスを吸着剤を含む濃縮管に通気し、大気中のテルペンを採取できるテルペンガス自動濃縮採取装置を試作した。最大9回の並行採取を全自動で行うため、ステッピングモーターで作動する電動アクチュエーターを2つ用いて、それぞれ濃縮管への経路を切り換え可能にした。コントローラーにデータロガー機能があるCR10Xを用い、装置の作動をプログラム制御するとともに、濃縮装置各部の温度や通気流量を計測し、記録した。通気流量の制御には、マスフローコントローラーを用い、2経路の通気流量や濃縮時間を同一にした。最大18本までの濃縮管を保持できる濃縮管保持部の温度を、濃縮期間にわたって一定、均一にするため、ペルチェクーラーを取り付けた。 この試作機の性能を評価するため以下の実験を行った。 1 採取経路での汚染ガス発散の有無の確認 2 同一量のテルペンを濃縮した時の2経路での分析結果の一致度 3 濃縮管保持部の温度保持性能 1の結果、濃縮経路からのテルペンガスなどの汚染ガスの放出は認められなかった。 2の結果、濃縮に用いる9つの切り換えポートで両経路間の分析結果の差は10%以内であった。これは分析誤差の範囲内であり、2経路でのテルペン回収率に差はなかった。 3の結果、18本の濃縮管の温度を均一に維持することは、今回の実験では困難であった。熱伝導モデルを導入するなどして各濃縮管の保持温度をできるだけ均一にする温度保持装置を作成する必要がある。平成13年度は、この温度保持部に改良を加えるとともに、実際に森林群落のテルペンフラックス測定に使用し、問題点を検討し、必要なら随時改良を加える。
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