研究課題/領域番号 |
12556049
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川口 寧 名古屋大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60292984)
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研究分担者 |
前田 健 山口大学, 農学部, 助教授 (90284273)
堀本 泰介 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (00222282)
見上 彪 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (20091506)
田中 道子 国立感染症研究所, 感染病理部, 研究員 (10356248)
遠矢 幸伸 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (20180119)
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キーワード | ヘルペスウイルス / 組み替え法 / BACシステム |
研究概要 |
本研究の目的は、本研究の目的はヘルペスウイルスの組み換え技術を"bacterial artificial chromosome (BAC) system"を用いて簡便な組み換え法を開発することによってヘルペスウイルスの新しいワクチン開発、遺伝子治療ベクターの開発、基礎研究を著しくスピードアップするこことにある。本年度に得られた結果は以下の通りである。 昨年度に作製に成功した単純ヘルペスウイルス(HSV)全ゲノムを有する大腸菌(YEbac102)の性状解析を行った。大腸菌よりHSVゲノムを抽出し培養細胞に導入したところ、感染性ウイルス(YK304)が産生された。また、YK304とCre recombinase発現アデノウイルスを共感染させることによって非常に高率にYK304 genomeよりbacmidが除去されたウイルス(YK311)が得られた。YK304およびYK311は培養細胞において野生株であるHSV-1(F)と同等な増殖能力を示した。さらに、マウス動物モデルを用いた解析によりYK304およびYK311がHSV-1(F)と同等の病原性を示すことが明らかになった。以上より、YEbac102は、完全長のHSV-1,genomeを保持し、野生株と同等な増殖能および病原性を保持する感染遺伝子クローンを有していることが明らかになった。 大腸菌の中で、実際に任意の変異をウイルスゲノムに導入する系を確立した。RecAを発現する大腸菌RR1にHSV全ゲノムを保持させた(YEbac103)。YEbac103内で、RecA法に従って、ICPO遺伝子に3つのアミノ酸置換を導入することに成功した。また、RecAを発現するトランスフアープラスミドを構築し、RR1を用いずに、RecA negativeの大腸菌YEbac102内で、ICP34.5部位に変異を導入することに成功した。 YEbac102、YEbac103と確立した組み換え系は、HSVの基礎研究、ワクチン開発、ベクター開発に多目的に有用であると考えられる。またこれらの系は他のヘルペスウイルスにも応用可能である。
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