研究課題/領域番号 |
12556051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
高島 郁夫 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (30002083)
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研究分担者 |
高橋 健一 北海道立衛生研究所, 疫学部, 科長
水谷 哲也 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助手 (70281681)
苅和 宏明 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 助教授 (70224714)
倉田 毅 国立感染症研究所, 副所長 (50012779)
根占 哲也 株式会社セロテック研究所, 所長代理
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | ウイルス性脳炎 / ダニ媒介脳炎 / 鑑別診断 / ワクチン |
研究概要 |
本研究では北海道で近年発見されたダニ媒介脳炎(TBE)の具体的予防対策のために、安全で簡便な血清診断法を開発し、血清疫学調査によりウイルス汚染地を特定した。さらに近年ロシア等の流行地で流行しているウイルス株に対する市販のワクチンの効果を評価した。 まずTBEウイルス渡島株に対して単クローン性抗体(Mab)を作出しこれらMabを用いた蛍光抗体法により、迅速なウイルス同定法を確立した。次に1999年〜2000年にロシアのハバロフスク市周辺、ウラジオストック市周辺およびイルクーツク市周辺で採集したマダニ類からウイルスを分離して遺伝子解析を行った。ハバロフスクおよびウラジオストックから分離されたTBEウイルス株はすべて極東型と同定された。一方イルクーツクからのウイルス株はすべてシベリア型と同定された。TBEウイルス極東型株とシベリア型株に対するヨーロッパ型TBEウイルスワクチンの効果を判定した。ワクチン接種者は極東型およびシベリア型TBEウイルスに対して良好な中和抗体応答を示した。さらにマウスにおけるワクチン効果を判定したところ、ワクチン接種マウスは両ウイルス株の攻撃に対して有意な防御を示した。従ってTBEウイルスヨーロッパ型ワクチンは現在シベリアと極東地区に流行しているTBEウイルスに有効であることが判明した。遺伝子工学的手法により、TBEウイルスのウイルス様粒子(VLP)を作出し、ELISAによるTBEの血清診断に応用した。IgM-ELISAにより極東ロシアのTBE患者血清を用いて調べたところ、敏感度と特異性に優れた方法であることが判明した。
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