研究課題/領域番号 |
12556053
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
応用獣医学
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研究機関 | 帯広畜産大学 |
研究代表者 |
杉本 千尋 帯広畜産大学, 原虫病研究センター, 教授 (90231373)
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研究分担者 |
玄 学南 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10292096)
藤崎 幸蔵 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00292095)
長澤 秀行 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60172524)
松村 健 独立行政法人産業技術総合研究所, 研究員 (50358040)
上田 一郎 北海道大学, 大学院・農学研究所, 教授 (10113523)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | 植物発現 / 形質転換植物 / 原虫 / ダニ / 唾液腺 |
研究概要 |
本研究は各種動物病原体遺伝子を植物体で高度に発現させ、さらにこれとサイトカインを併用することにより、経口あるいは経鼻という粘膜面への投与で効果を発揮できるワクチン(粘膜ワクチン)の基盤技術形成を目的とする。モデル抗原として、各種病原性原虫を媒介するダニの吸血行動を阻害する能力を宿主に賦与できるダニ唾液腺抗原遺伝子を獲得し、これを免疫増強効果を持つサイトカイン遺伝子(インターロイキン1、2など)とともに形質転換技術あるいは植物ウイルスベクター系を用いて植物体に導入、高度に発現させる。これにより発現された産物の生物活性を評価した後、実際に動物の粘膜面に投与し、効果的な免疫が誘導できるかを検討する。 サイトカインの遺伝子として形質転換増殖因子α(TGF-β)のクローニングを行い、アグロバクテリウムによる形質転換によりタバコに遺伝子導入、導入遺伝子発現を確認した。特にレジュミンシグナルをN末端側に付加した場合、無付加の構築物の5倍の発現量(20ng/g生葉)が認められ、シグナル配列による高発現が達成できた。発現産物は同様にウシIL-1、IL-2についても遺伝子を取得し、タバコに導入、発現を確認した。いずれも動物細胞を用いた生物活性測定試験で陽性を示し、活性のある分子の植物発現に成功した。 マダニ抗原に関しては唾液腺に存在するセメント内蛋白質、セリンプロテアーゼ、セリンプロテアーゼインヒビターの遺伝子クローニングを行い、これら分子の構造ならびに活性の解析を行った。またセメント内蛋白質を組み換え蛋白質として発現させ、ウサギを用いたワクチン試験を実施したところ顕著なダニ排除効果が認められ、実用的なワクチンになりうると判断された。
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