研究課題
平成13年度の実施計画に基づいて検討し、以下の結果を得た。1)糖代謝特性:これまでに確立した原虫の培養系(短期)を用いて、寄生赤血球の糖取り込について検討した。両原虫感染血球では新たな糖輸送機構が発現していることが明らかとなり、また両原虫で異なることも判明した。2)抗原虫薬剤の開発:1)に関連する酵素活性の違いから、抗原虫薬剤の基本骨格の策定を試みたが、いまだ有効な薬剤の開発には到っていない。3)膜構造蛋白の分子論的解析:両原虫に特異的と考えられる数種類の候補蛋白質について、感染赤血球からmRNAを採取し、蛋白質を発現させ、特異蛋白質をコードする遺伝子解析を行ったが、いまだ特定蛋白質をコードする遺伝子を決定するには到っていない。宿主の感染防御機構:脾臓内マクロファージによるIL-12産生を検討し、バベシア虫体から得られるIL-12産生刺激物質を精製・解析したところ、培養上清に検出される蛋白質で、熱耐性であり、B. microtiでその活性の高いことが明らかとなった。4)免疫増強物質の開発:上記IIL-12産生刺激物質の分離・精製を継続して行い、3種の生成蛋白を得たが、単離までには到っていない。
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