10mg/ml polybrene液またはリポゾーム媒介トランスフェクション法により牛の体細胞へEGFP遺伝子を導入し、これを核としてクローン胚を構築した。また、EGFP遺伝子を同法により牛精子核へ導入し、精子をベクターとして牛成熟卵子への遺伝子導入試験を行った。EGFPcDNA導入細胞を核として構築したクローン胚への遺伝子導入率は50%と向上したが、本実験においてもモザイク状の蛍光発現が多数を占めた。また、リポフェクション法による精子をベクターとした卵子への遺伝子導入では30%の胚でEGFPcDNAの発現が確認されたが、大部分がモザイク状で胚盤胞での蛍光発現はいずれも弱かった。一方体細胞を核としたクローン胚を当研究室で開発した陰圧式炭酸ガス培養器で培養しながら日本(福岡空港)から中国(青島空港)まで運び、中国菜陽農業大学で準備した5頭のレシピエントへ移植して2頭のクローン牛の作出に成功した。本牛への遺伝子導入について確認中である。
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