研究分担者 |
田中 治夫 東京農工大学, 農学部, 助手 (20236615)
鈴木 創三 東京農工大学, 農学部, 助教授 (30137898)
松村 昭治 東京農工大学, 農学部, 助教授 (20107171)
島田 順 東京農工大学, 農学部, 助教授 (00015124)
黒川 勇三 東京農工大学, 農学部, 助手 (00234592)
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研究概要 |
3ヶ年の研究により下記の成果が得られた。 1.コンポストガスを農業等の生物生産で利用するため、土壌フィルタと微生物担体充填フィルタで、アンモニアを回収・資源化し、二酸化炭素を作物栽培に利用するシステムを試作し、その性能等について確認した。コンポストガスに含まれる硫黄化合物等の微量ガスは生物フィルタで十分除去できず、作物に生育障害を及ぼすことが判明したため、ハニカム型触媒フィルタを用いて微量ガス除去を行った結果、コンポストガス中の二酸化炭素を作物栽培に利用できることが可能となった。 2.生ゴミのコンポスト化において,水分調整材として土壌とオガクズを使って発生する微量ガスの変化について検討した.水分調整資材として土壌とオガクズを比較した場合,生ゴミ処理中に発生する硫黄系ガスのうちメチルメルカプタンの発生を抑制する能力は土壌の方が高いが,発生量が多い硫化メチルに対してはオガクズの方が有効であった.しかし,このような効果は初期の間だけであり,数回投入後には認められなくなった.これは資材と生ゴミ積算投入量との関係で決まると推測された. 3.一般家庭や学校教育レベルで使用できる小型のコンポストガス利用植物栽培システムを検討した。これは、コンポスト化過程で排出されるガス(主に窒素成分)を水にトラップさせ、植物栽培用培土に供給するもので、コマツナを供試して実験を行った結果、生育に関してはガス供給が有効である可能性が示された。 4.土壌脱臭槽内の生物相の反応を少量の採取試料で判別するため、ガスクロマトグラフを用いた土壌呼吸量測定の短縮法を検討した。その結果、土壌試料量と培養ビンの容積との比率を考慮することにより、NaOH法の土壌呼吸量測定値と高い相関関係を持ち、また、土壌試料の少量化および培養時間の短縮化も可能であることがわかった。 5.土壌脱臭槽の熱水抽出炭素を土壌バイオマス量増減の指標とし、コンポスト化装置で発生するガスが脱臭槽土壊の化学性へ及ぼす影響と脱臭槽土壌中の線虫相および微小節足動物相の経時的な変化との関係から脱臭効果の持続性について考察した。アリや甲虫などの大型節足動物は,日数の経過とともに減少し、線虫類は増加した。脱臭槽土壌という閉鎖系において、栄養段階の頂点とみられる生物種は、トゲダニやケダニであると考えられた。
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