研究課題/領域番号 |
12557006
|
研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
中島 敏博 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助教授 (30128136)
|
研究分担者 |
西川 茂通 和研薬株式会社, RD部門, 次長
宮田 清司 京都工芸繊維大学, 工芸科学研究科, 助手 (30243124)
清原 壽一 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 教授 (50071874)
|
キーワード | In Situ PCR / 細胞内色素注入 / ルシファーイエロー / ブレインスライス / パッチクランプ |
研究概要 |
本研究は、ブレインスライス標本でパッチクランプ法を用いてニューロンの特性を電気生理学的に解析した後、活動を記録したニューロンにマーカー色素を注入同定し、検出感度が非常に高いIn Situ PCR/hybridization法により、スライス標本のニューロンやグリア細胞が含有する特定のmRNAを検出し、顕微鏡標本として可視化するシステムの開発を目指すものである。 本年度は、In Situ PCR/hybridization法の脳標本への適用の確立を目指した。絶水ストレスでは他の種類のストレスと異なり室傍核および扁桃体のCRH mRNAが減少するとされている。ラットでは絶水は摂食量の減少を伴うので、絶水時のCRH mRNAの変化が絶水自体によるものか、絶水に伴う摂食量の減少によるものなのかをpair-fedラットのCRH mRNAをIn Situ PCR/hybridization法を用いて定量的に解析した。その結果、絶水群ではコントロール群と比べて、室傍核および扁桃体中心核のCRH mRNAが減少したが、室傍核ではpair-fed群は絶水群より軽度の減少にとどまり、逆に扁桃体中心核ではpair-fed群での減少が大であった。この結果より、室傍核では絶水による浸透圧上昇がCRH mRNAの低下に関与するが、扁桃体中心核では摂食量の減少がCRH mRNA発現の低下に関与することが示された。これら研究過程においてIn Situ PCR/hybridization法の脳標本への適用手法をほぼ確立した。
|