研究課題/領域番号 |
12557022
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
林 良夫 徳島大学, 歯学部, 教授 (00127854)
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研究分担者 |
柳 久美子 徳島大学, 歯学部, 助手 (90294701)
羽地 則雄 徳島大学, 歯学部, 助手 (30274228)
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キーワード | 自己免疫疾患 / シェーグレン症候群 / 抗原エピトープ / 高感度ELISA / α-フォドリン / リコンビナント蛋白 / 疾患モデル / NFS / sldマウス |
研究概要 |
自己免疫疾患の大半は原因不明であるため抗核抗体検査などの非特異的診断法、ステロイド剤などの非特異的治療法で対処している。シェーグレン症候群疾患モデルNFS/sldマウスから病因と密接に関連した責任抗原として分子量120KDの臓器特異的自己抗原を分離精製し自己抗原は疾患モデルのみならず患者血清および末梢リンパ球に対しても特異的な反応性を示すことからシェーグレン症候群患者に特異的な自己抗原蛋白としての評価が確立された。本研究ではシェーグレン症候群の特異的診断法を構築する目的で疾患モデル及びシェーグレン症候群患者検体を用いて自己抗原120KDα-fodrinを用いた高感度ELISA測定系の構築をを試みた。α-fodrin遺伝子(全長7083bp)全領域をカバーする3種類のpGEX発現ベクター(JS-1/pGEX4T-2、2.7A′/pGEX4T-1、3′DA/pGEX4T-2)を用いてGSTfusion蛋白を精製し、3種類の精製リコンビナント蛋白を各々固相化したプレートを作成し、疾患モデルマウス血清、患者血清との反応性を検討した。患者血清についてはシェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス、慢性関節リウマチを含め約200症例検討を実施した。その結果、高感度ELISA測定系の構築はJS-1リコンビナント蛋白によるアッセイ系で他の自己免疫疾患と比較してシェーグレン症候群において良好な結果の得られることが判明した。一方、口唇腺生検材料を用いたウエスタンブロット法でも患者サンブルにのみ自己抗原に対する陽性所見が確認された。また、疾患特異的なT細胞エピトープ、B細胞エピトープを解明する目的で、α-fodrin遺伝子全領域をカバーするpGEX発現ベクターの産生するGST fusion蛋白について制限酵素によるdeletin mutagenesis法を実施した。T細胞エピトープの決定は疾患モデル末梢またはリンパ節からT細胞を分離調整し、N末に対する合成ペプチドを抗原として自己反応性T細胞クローンの樹立を試み、疾患特異的な自己反応性T細胞クローンの認識する自己抗原エピトープを同定し、これらクローンのサイトカインの発現様式、細胞障害能ならびにT細胞受容体可変部領域のアミノ酸配列を決定した。
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