研究課題/領域番号 |
12557027
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
太田 美智男 名古屋大学, 医学部, 教授 (20111841)
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研究分担者 |
飯沼 由嗣 名古屋大学, 医学部, 助手 (90303627)
山篠 貴史 名古屋大学, 医学部, 助手 (00314005)
長谷川 忠男 名古屋大学, 医学部, 助教授 (10314014)
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キーワード | 黄色ブドウ球菌 / MRSA / 分泌蛋白 / 毒素蛋白 / 2次元電気泳動 / N末端アミノ酸配列 / 表皮ブドウ球菌 / A群レンサ球菌 |
研究概要 |
平成12年度研究では、黄色ブドウ球菌NCTC8325の全分泌蛋白を抽出し2次元電気泳動(2-DE)によって250以上のスポットに分離した。さらに約100の主要なスポットについてペプチドシーケンサーによってN末端アミノ酸配列を決定し、オクラホマ大DNAデータベースを用いてそれぞれのスポットの蛋白を同定した。また同一の分泌蛋白由来の複数スポットが多数同定され、各種proteaseによるpost translational modificationが判明した。さらに各種proteaseの作用について基質特異性を検討し、その意義を考察した。 各種コアグラーゼ型に属する臨床分離MRSA株について全分泌蛋白の2-DEによる解析を行った。また代表的なスポットについてN末端アミノ酸配列を決定した。その結果臨床分離MRSA株はさまざまな2-DEパターンを示すことが明らかとなった。さらに同一のコアグラーゼ型に属する菌株は似た2-DEパターンを示した。全分泌蛋白の2-DEパターンの多様性ならびに解像度は染色体DNAパルスフィールドゲル電気泳動法と比べて十分に疫学的方法として用いることができることが明らかとなった。また個々のスポットの大きさからそれぞれの毒素蛋白の産生量が測定でき、それによって個々の菌株の病原性の強さを推定することが可能となった。 患者由来の表皮ブドウ球菌分泌蛋白について2-DE解析を行い、黄色ブドウ球菌の結果と比較した。分析した株数は限られているがその結果、表皮ブドウ球菌は全く異なる2-DEパターンを示すことが明らかとなった。A群レンサ球菌についても全分泌蛋白の2-DE解析を行い、主要なスポットについてN末端アミノ酸配列の決定を行っている。その結果M抗原型と2-DEパターンに相関があることが明らかとなった。
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