研究課題/領域番号 |
12557032
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
垣生 園子 東海大学, 医学部, 教授 (30051618)
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研究分担者 |
東 隆親 東京理科大学, 生命科学研究所・生命情報科学研究部門, 教授 (00028234)
井原 征治 東海大学, 医学部, 助教授 (50096202)
安藤 潔 東海大学, 医学部, 講師 (70176014)
瀧 孝雄 大塚製薬(株), 分子医科学研究所, 所長 (10046295)
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キーワード | ヒト免疫系再構築 / モノクローナル抗体 / ヒト臍帯血 / オリゴクローン法 |
研究概要 |
動物実験例からモノクローナル抗体(Mab)投与による治療への応用が期待され、分子生物学及び発生工学的手段によりヒト型抗体作製が試みられているが、完全なヒト抗体は得られていない。本研究では、ヒトB細胞由来の目的とする抗原特異的抗体を得る目的で、ヒト臍帯血由来のCD34+細胞を照射NOD-SCIDマウスに移植し、マウス環境に適応したヒト免疫系を再構築した。CD34+細胞移植後末梢血にB細胞が検出された6週目にDNP-KLHをアジュヴァントと共に免疫すると、4週後の血清中に抗DNP抗体が検出されたが、主にIgMタイプであった。末梢系でのT細胞は1%以下であったので、ヘルパーT細胞によるB細胞Igのクラススイッチは効率が悪いと判断され、T細胞に関して2つの実験をおこなった。1)B細胞内でのIgクラススイッチに不可欠なCD40由来のシグナルを、ヘルパーT細胞のCD40Lを介して作動させる替わりに、抗CD40抗体の投与で代替した。その結果、IgGクラスのDNP特異的抗体が得られた。2)一方、T細胞の分化と増殖を促進する系を確立した。すなわち、マウス胸腺ストローマ細胞とヒ卜CD34+細胞を共培養後、そのヒト・マウスハイブリッドをNOD-SCIDに移植すると、局所でIL-2産生能をもった機能的成熟ヒトT細胞が分化増殖した。一方、誘導されるIgGタイプB細胞から大量の抗体を大量に得るオリゴクローン法の開発を免疫系再構築とは独立して進め、末梢B株から得たライブラリーにファージディスプレイ法を組み合わせて、抗HBs抗体のクローニングに成功した。次年度はこの方法と上記免疫系再構築マウス作製法をさらに改善し、両者を組み合わせてアポトーシス誘導のあるヒト抗ErbB2抗体をペプチド免疫によって作製することを目指す。
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