研究概要 |
【目的・方法】Morganらによって作成された全5問からなる口問口答形式の摂食障害スクリーニング・テスト「SCOFF Questionnaire ; SCOFF(BMJ 319:1467-1468,1999)」の有用性、ならびに摂食障害に占める季節性感情障害(SAD)合併例の割合を検討した。対象は某大学女子在学生の一部(2565名)で、SCOFFを質問紙法により実施した。 【結果】回答学生1035名(有効回答数1031名)のうち、2問以上に「ハイ」と回答した学生169名を要精査として呼出し、SCIDによる構造化面接を行った。一次要精査に108名が応じ、62名が摂食障害ではないと診断された。二次要精査に残り46名中37名が応じDSM-IVに従って診断した結果は、月経があることを除きAN-R型の診断基準を満たす者7名(3,1)、BN-P型4名(1,0)、BN-NP型5名(1,1)、BE7名(1,4)、無茶喰い期間が6ヶ月を満たさないことを除きBEの診断基準を満たす者2名(1,0)、BE疑い1名(0,1)であった。これら障害学生のうちRosenthalのSAD診断基準を満たす学生は7名、症状が2年連続して認められなかったことを除き診断基準を満たす学生は7名であった。それぞれの実数を各病型人数の後に(SAD人数,SAD疑い人数)として示した。 【考察】要精査対象者数に占める摂食障害学生数の割合は15.4%(169名中26名)であった。一次・二次要精査非呼応者がそれぞれ61名と9名いたことから、(1)EAT-26と比較してもSCOFFは摂食障害スクリーニング・テストとして優れていることが判明した。摂食障害学生26名中14名がSADまたはSAD疑いと診断されたことから、(2)摂食障害者に対しても季節性の有無を確認すること、(3)高照度光療法などSAD治療法を積極的に導入すること、が重要と考えられた。
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