研究分担者 |
小竹 茂 東京女子医科大学, 附属膠原病リウマチ痛風センター, 講師 (00234774)
大橋 順 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80301141)
徳永 勝士 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40163977)
松下 正毅 湧永製薬株式会社, 創薬研究所, 研究員
岡 孝紀 湧永製薬株式会社, 創薬研究所, 室長(研究職)
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研究概要 |
1.TNFα5'側上流領域に近年記載された機能的SNP3個所(-1031,-863,-857)および以前から知られていた-308,-238の計5 SNPによって構成されるハプロタイプの迅速タイピング法を作製し、主要ハプロタイプが5種類であることを見出し、TNFA-U01.1,U01.2,U02,U03,U04と命名した。 2.関節リウマチ(RA)においてTNFA-U02の増加を認めたが、これは、HLA-DRB1^*0405との連鎖不平衡による二次的な関連と考えられた。また、重症度の関連を、初期RAの前向き研究で検討を開始し、追跡開始後12ヶ月の時点で、TNFA-U02ハプロタイプを持ち、HLA-DRB1のRA感受性アリルを持たない群が、もっとも関節破壊の進行が遅く、治療に反応してCRPが低下していることが観察された。今後も、より長期の観察が必要と考えられる。 3.Crohn病において、TNFA-U03の、HLA-DRB1とは独立の関連が見出された。また、多発性筋炎・皮膚筋炎患者において、間質性肺炎合併例に有意にTNFA-U03ハプロタイプが増加していることが見出された。 4.タイにおける軽症、非脳性重症、脳性マラリア患者群の検討により、TNFA-U04ハプロタイプが脳性マラリア群で有意に増加していることが見出された。 5.ナルコレプシーにおいて、HLA-DRB1^*1501-DQB1^*0602ハプロタイプとは独立に、TNF-857Tアリルが関連することが見出された。 6.いずれもHLAとの関連をみとめる全身性エリテマトーデス、顕微鏡的多発血管炎、帯状庖疹後神経痛では、TNFハプロタイプとの関連は検出されなかった。 7.TNF-863Aアリル、-857Tアリルのそれぞれにおいて、転写因子Oct-1がより高い結合活性を持つことが見出された。
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