研究課題/領域番号 |
12557049
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
桑名 正隆 慶応義塾大学, 医学部, 講師 (50245479)
|
研究分担者 |
河上 裕 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (50161287)
池田 康夫 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (00110883)
|
キーワード | 血栓症 / 自己抗体 / 習慣性流産 / 自己反応性T細胞 / リン脂質 / T細胞リセプター |
研究概要 |
抗リン脂質抗体症候群(APS)は動静脈血栓症、習慣性流産をきたす疾患で、患者血清中にはβ2-グリコプロテインI(β2GPI)などリン脂質結合蛋白を認識する抗リン脂質抗体が検出される。我々はβ2GPIを認識するCD4^+T細胞が抗リン脂質抗体産生に必須であることを明らかにした。したがって、APS患者において病因的なβ2GPI反応性T細胞を除去または不活化することで、抗リン脂質抗体の産生を抑え、血栓症や流産を予防することが可能と考えられる。抗原特異的T細胞を除去する手法のひとつとして、抗原特異的T細胞の拘束されたT細胞リセプター(TCR)可変領域に対する免疫応答を誘導するTCRワクチンがあり、各種動物モデルでその有効性が示されている。そこで、β2GPI反応性T細胞のTCRβ鎖を解析し、それらに共通するTCRVβ鎖を有するT細胞を除去することによるin vitroでの抗リン脂質抗体産生に対する抑制効果を検討した。その結果、APS患者5例、健常人3例におけるβ2GPI反応性T細胞のTCRβ鎖には高頻度にVβ7またはVβ8が使われていることが明らかとなった。CDR3領域のアミノ酸配列には特定のモチーフが存在し、β2GPI反応性T細胞には限られたTCRβのレパートリーが用いられていた。さらに、末梢血単核球からモノクローナル抗体を用いてVβ7またはVβ8陽性T細胞を除去すると、in vitroでの抗リン脂質抗体産生がほぼ安全に抑制された。したがって、β2GPI反応性T細胞に高頻度に用いられるVβ7、Vβ8を標的とした手法によりAPS患者における抗リン脂質抗体産生も抑制が可能と考えられた。来年度以降は、マウスのAPSモデルを用いて同様の手法で抗リン脂質抗体の産生が抑えられるかを検討する予定である。
|