研究課題/領域番号 |
12557050
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
杉山 敏郎 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (00196768)
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研究分担者 |
平山 文博 吉富製薬, 開発研究所, 主任研究員
穂刈 格 北海道大学, 医学部・附属病院, 助手 (70301885)
浅香 正博 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10113507)
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キーワード | H.pylori / カタラーゼ / ワクチン / 胃癌 |
研究概要 |
H.pyloriはヒト慢性萎縮性胃炎、ヒト胃癌の主要な病因と考えられ、その関連性、因果関係は疫学的、動物実験モデルにより実証されつつある.我が国ではH.pylori感染者は5000-6000万人と推定されているが、胃癌予防のために感染者をすべて除菌することは現実的に、また医療経済上も不可能である.したがって、何らかの予防ワクチンの開発は重要である.本研究ではH.pyloriリコンビナントカタラーゼ蛋白をワクチンとして用い、スナネズミを免疫し、その後、胃癌を高頻度に発症するH.pylori菌株を感染させ、感染の成立、胃炎の成立、そして胃癌発症予防効果を検討することを目的とする.H.pyloriリコンビナントカタラーゼを精製し、5週令のSPFスナネズミにリコンビナントカタラーゼ蛋白およびアジュバントとともに免疫し、ELISA法により,血清IgG抗体および胃液IgA抗体の上昇を確認した.免疫の成立を確認した後、胃癌高頻度発生H.pylori菌液を経管的にスナネズミに投与し、さらに10ppmのメチルニトロソウレアを20週間投与し経過観察中にある.一方、我々がクローニングしたH.pyloriカタラーゼ遺伝子をカナマイシンカセットに導入しH.pyloriに遺伝子導入し、菌体内でリコンビネーションによりカタラーゼノックアウトH.pyloriを作成し5週令SPFスナネズミ15匹に感染させても、感染は全く成立せず、カタラーゼは感染成立に必須であることも判明している. 研究はおおむね予定どおり進行している.
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