研究課題/領域番号 |
12557051
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
消化器内科学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
油谷 浩幸 東京大学, 国際・産学共同研究センター, 教授 (10202657)
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研究分担者 |
山下 尚彦 (株)特殊免疫研究所, 研究員
児玉 龍彦 東京大学, 先端科学技術研究センター, 教授 (90170266)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2002
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キーワード | マイクロアレイ / 腫瘍マーカー / GPC3 / 肝細胞癌 |
研究概要 |
網羅的遺伝子発現プロファイルパターンと肝細胞癌の臨床的あるいは病理学的診断との相関を解析することにより、肝細胞癌の診断アルゴリズムの開発を目指し、さらに肝癌特異的な発現を示す遺伝子の機能解析を行い、肝発がんにおける役割を検討した。最大4万個の遺伝子について肝細胞癌組織の非癌部と癌部組織においての遺伝子発現プロファイリング解析をおこない、新規の診断、治療の標的分子を探索した。 1)従来の少数の腫瘍マーカーによる診断ではなく、多数の遺伝子の発現プロファイルパターンを用いて癌と健常部との識別、予後因子の評価を行うために階層的クラスタリングや主因子分析、SVM法などの新しい診断アルゴリズムの開発を試みた。 2)「結節内結節」型の肝細胞癌では脱分化によるがん細胞の悪性化が認められるが、高分化型から中分化型への進展に関与すると思われる遺伝子群を抽出し、RT-PCRによる検証も行った(緑川、2002)。 3)肝細胞癌に高発現するヘパラン硫酸プロテオグリカン遺伝子GPC3についてはFGF2やBMP7などの増殖因子のシグナル伝達を調節する知見が得られた(緑川、2003)。GPC3蛋白はGPIアンカーされる分子であり、全長分子ではなくN末端側が切断を受けた断片が血清中に存在することが認められた、多数のモノクロナル抗体を作成し、ELISAによる血清濃度測定系を樹立した(筆宝、2004)。sGPC3は肝がん患者の50%に陽性であり、肝細胞癌患者で有意に高値を示していた。 4)肝細胞癌の84%に強陽性であり、肝細胞癌の診断にGPC3の免疫組織化学的検索が有用であると考えられた。
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