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2000 年度 実績報告書

プロテイン・トランスダクションによるC型肝炎治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 12557052
研究機関東京大学

研究代表者

小池 和彦  東京大学, 医学部・附属病院, 助教授 (80240703)

研究分担者 藤江 肇  東京大学, 医学部・附属病院, 助手
新谷 良澄  東京大学, 医学部・附属病院, 助手
森屋 恭爾  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (00272550)
石橋 光太郎  第一製薬中央研究所, 試験研究センター, 主任研究官
松浦 善治  大阪大学, 微生物病研究所, 教授
キーワードC型肝炎 / プロテイン・トランスダクション / プロテアーゼ / トランスジェニックマウス / カスパーゼ
研究概要

最近、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)のTAT蛋白のうち、N末端の11アミノ酸であるprotein transducing domain(ptd)に融合させた各種蛋白が、マウスへの腹腔内投与によって全身の臓器に分布されることが明らかにされている。このptd配列の後ろに、C型肝炎ウイルス(HCV)のNS3プロテアーゼによって切断されるペプチドを介在させてカスパーゼ3に結合させることによって、HCVの感染した(NS3プロテアーゼを発現した)細胞でのみカスパーゼ3が活性化され、細胞死をもたらすことが可能となる。カスパーゼ3は切断された後へテロ四量体となって初めて活性化されるためである。HCVの感染していない細胞ではNS3プロテアーゼが存在しないため、カスパーゼ3は活性化されず細胞は障害されない。インターフェロン治療によってHCVに感染した肝細胞が高度に減少している患者にこのポリペプチドを投与することによって、HCV感染肝細胞を排除して慢性C型肝炎を治癒させることが可能である。一方、我々はHCVのNS3プロテアーゼを肝において発現しているHCV非構造領域遺伝子(NS)トランスジェニックマウスを既に樹立している。このマウスをモデルとして用いて、プロテイン・トランスダクションによるC型肝炎治療法を開発する。カスパーゼ3発現コンストラクトpTAT-Casp3-NS3pcsの作製。HIV-1のTAT蛋白のうちprotein transducing domain(ptd)を、カスパーゼ3のPro領域を取り除いた部分に結合する。これにNS3プロテアーゼ切断領域(NS3-NS4A境界)配列を挟んでカスパーゼ3のp17、さらにNS3プロテアーゼ切断領域(NS4B-NS5A境界)配列を挟んでp12を発現する構造である。本コンストラクトを現在作成中である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Shintani Y, et al.: "Significance of hepatitis B virus DNA detected in hepatocellular carcinoma in patients with hepatiits C."Cancer. 88. 2478-2486 (2000)

  • [文献書誌] Yotsuyanagi H, et al.: "Virological analysis of "non-B, non-C" hepatocellular carcinoma in Japan : frequent involvement of hepatitis B virus."J Infect Dis. 181. 1920-1928 (2000)

  • [文献書誌] Fujie H, et al.: "Hepatitis B virus genotypes and hepatocellular carcinoma in Japan."Gastroenterology. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Moriya K, et al.: "Increase of carbon 18 mono-unsaturated fatty acids in the liver of hepatitis C : Analysis in transgenic mice and humans."Biophys Biochem Res Commun. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Moriya K, et al.: "Oxidative stress in the absence of inflammation in the liver of a mouse model for hepatitis C virus-associated hepatocellular carcinoma."Cancer Res. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Fujie H, et al.: "Frequent β-catenin aberration in human hepatocelluar carcinoma."Hepatol Res. (in press). (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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