研究課題/領域番号 |
12557056
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
呼吸器内科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
貫和 敏博 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (40129036)
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研究分担者 |
三木 誠 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30312656)
海老名 雅仁 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (10280885)
萩原 弘一 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (00240705)
中村 敏一 大阪大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00049397)
鳴海 晃 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30302219)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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キーワード | hepatocyte growth factor (HGF) / アデノウイルスベクター / プラスミド / MAA / 急性肺傷害(ALI) / 肺繊維化抑制 / 再生 / 肺特異発現 / lung specific expression |
研究概要 |
緒言:我々は従来、肺線維症モデルのマウスブレオマイシン肺に肝細胞増殖因子(HGF)蛋白や、アデノウイルスベクター(Ad-HGF)によるHGF発現系によって、HGFの肺線維化抑制・修復効果を示してきた。臨床応用上、HGF蛋白大量注入は経済的負担が大きく、Ad-HGF経気道投与は様々な炎症を惹起し、肺線維症治療応用には課題が多い。本研究は、非気道性Ad-HGF投与経路を検討すると共に、HGF新投与法としてヒトHGF発現プラスミド(HGF/pCAGGS)を経静脈性で、かつ肺組織特異高効率HGF発現を目的に臨床検査で使用するmacro-aggregated albumin (MAA)とHGF発現プラスミドを混合し、経肺胞毛細血管性発現法を開発し、肺線維症に対する応用の可能性を探った。 結果:(1)Ad-HGFは経気道性投与では炎症惹起により十分な肺障害修復は見られなかったが、経腹腔、経血管投与では有意な障害修復効果をみた。(2)HGF/pCAGGS静脈内投与はAd-HGFと比較し血中TNF-α、IL-6は有意に低く、コントロール群と差を認めなかった。HGF/pCAGGS静注12時間後にHGFが発現(2日目に最大、5日目に消退)した。マウスブレオマイシン肺TNF-α、IL-6はHGF/pCAGGS投与で減少し、線維化指標ハイドロキシプロリン量も有意に抑制された。肺特異遺伝子発現亢進のためMAA-PEIにHGF/pCAGGSを混合投与すると、10%プラスミド量で同程度の抗線維化効果を認めた。 考察:Ad-HGFによるHGF発現は、非気道性投与が必要である。HGF/pCAGGSをMAA-PEIに付加することで炎症性サイトカイン産生を惹起することなく、低濃度で肺内特異持続的HGF発現を期待できる。本法は繰り返投与が可能であり、より臨床に即した投与法と期待される。
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