研究課題/領域番号 |
12557065
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研究機関 | 川崎医療短期大学 |
研究代表者 |
立花 博之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助手 (00241216)
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研究分担者 |
平松 修 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (50208849)
松本 健志 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (30249560)
後藤 真己 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 教授 (50148699)
片岡 則之 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 講師 (20250681)
望月 精一 川崎医療短期大学, 臨床工学科, 助教授 (60259596)
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キーワード | CCD生体顕微鏡 / ペンシルレンズ / 糸球体内微小循環 / 速度マッピング |
研究概要 |
本年度は、微小循環動態観測解析システム(ペンシルレンズ型レンズ、血流速度分布解析ソフトウェア)の改良、および評価をin vivoによる実験により行った。設計段階では、可視光対応の光マーカーを使用し、マーカーの動態を観測することにより血流速度分布の観測を実現する予定であった。実際にシステムを構築し、カメラの特性や画像のクオリティ等の基礎データを検討した結果、解析ソフトウェアの改良により、赤血球の軌跡から速度検出が可能であることが分かった。 麻酔下のラット腎表面に切開を加えペンシルレンズ型レンズを刺入し、高時間分解能CCD顕微鏡で糸球体内微小循環を観察・録画した(空間分解能0.86μm、時間分解能17msec)。off-lineでコンピュータシステムによりデジタル化し、得られる連続画像から、毛細血管内の赤血球速度を求め、糸球体内微小循環の血行動態を解析した。微小血管部分では血液中の赤血球の移動(=血流)による濃度変化が観測されるが、濃度変化のある任意の位置にROIを設けこれをフレームに切り出し、時空間画像を作成した。時空間画像上の赤血球速度に応じたストライプ状の濃度分布の傾斜により、血球速度を求め、速度ベクトルマッピングを行った。その結果、本システムは特殊な色素やトレーサを必要とせず、得られる動画像を時空間処理することで、時空間像の赤血球の軌跡から速度検出が可能であった。すなわち、微小循環血流動態を直接的な観測結果から評価できるため、微小循環障害の有効な評価手段となることが期待できる。また、臨床計測への応用が期待できる。
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