研究課題/領域番号 |
12557066
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
杉町 勝 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室長 (40250261)
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研究分担者 |
宍戸 稔聡 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 室員 (60300977)
砂川 賢二 国立循環器病センター研究所, 循環動態機能部, 部長 (50163043)
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キーワード | 走査型プローブ顕微鏡 / 微小振動 / 時変エラスタンス / 粘性 / 心筋細胞 / ラミニン / コラゲナーゼ / 生検材料 |
研究概要 |
本年度は実験動物から心筋細胞を採取して心筋細胞の粘弾性を測定する方法を開発した。ペントバルビタール麻酔ラット摘出心の冠動脈を大動脈から逆行性にコラゲナーゼを含む潅流液で潅流して心筋細胞を分離採集した。採取した心筋細胞をラミニン処理ディッシュ内に入れ、37℃、5%CO_2のCO_2インキュベータで4時間培養することで心筋細胞を付着固定することができた。走査型プローブ顕微鏡を改造し、外部制御により圧電素子を用いて精度よく探針を自在に上下できる回路を自作した。また制御信号を出力し圧電素子の動きと板ばねの曲がりを高速にデータ取得できるシステムを開発した。正弦波状の微小振動を加えることにより、板ばねも同相に振動し、潅流液の粘性の影響はほぼ無視可能であった。しかしながら、電気刺激により細胞を収縮させても板ばね変位の振幅が有意には変化せず収縮による弾性(エラスタンス)の増加が捉えられなかった。強心剤の投与でも大きな変化はなかった。原因のひとつとして機械特性を測定しているのが心筋細胞のあまりにも局所に限定している可能性がある。そのため、今後は細胞のもっと広い範囲を押し込む方法を考案する。また心筋が無負荷に近い状態でディッシュに付着していることも収縮による弾性の増加を測定困難にしている可能性がある。 生検材料に対するコラゲナーゼ潅流法に代わる新しい細胞分離法の開発に着手した。表面からのコラゲナーゼの拡散のみでは十分な細胞数が得られなかった。また種々のプロテアーゼの添加も試みたがいまだ十分な細胞数が得られていない。
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