1)サル胚性幹細胞の維持と性状の検討 米国から購入したアカゲザル胚性幹細胞は、マウス胎仔線維芽細胞との共培養により比較的容易に維持され、およそ1週間毎に継代された。維持されたアカゲザル胚性幹細胞は、アルカリフォスファターゼ陽性で、SSEA1、SSEA4いずれも陽性であった。また、アカゲザル胚性幹細胞1.2x10^5個をNOD/SCIDマウスに静注したところ、肺に奇形腫が形成された。 2)サル胚性幹細胞からの分化誘導 胎生10.5日のマウスAGM(aorta-gonad-mesonephros)領域より初代ストローマ細胞を培養し、このストローマ細胞上でアカゲザル胚性幹細胞を共培養した。培養後2週間には、培養中に小型円形細胞が出現し、それらの細胞の一部はストローマ細胞下で増殖し、コブルストーンエリアを形成した。フローサイトメトリーによる解析の結果、ヒトCD34陽性細胞が認められた。
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