• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

gp91-phox欠損型慢性肉芽腫症遺伝子治療臨床応用のための研究

研究課題

研究課題/領域番号 12557069
研究機関宮崎医科大学

研究代表者

布井 博幸  宮崎医科大学, 医学部, 教授 (50218260)

キーワードHa-MDR-IRES-gp91retrovirus / in vivo selection / p40phox / D289A変異 / K355A変異
研究概要

遺伝子治療臨床研究はAlain Fischerらの遺伝子治療患者の中からlymphoproliferative diseaseが起こしたことから、臨床応用への道が疑問視されて来ており、さらに基礎的、臨床的な裏づけが要求されるようになって来た。
今回杉本博士らとの共同研究の形でこの数年をかけて取り組んだHa-MDR-IRES-gp91retrovirus vectorを用いてin vivo selectionの可能性をEBウイルスにより樹立された患者B細胞、患者CD34陽性造血幹細胞へ遺伝子導入しvincristineによる選択することにより、gp91-phox発現と活性酸素産生を確認できた。また慢性肉芽腫症マウスの骨髄幹細胞へ遺伝子導入することによりヒト特異的なモンクローナル抗体を用いてP-glycoproteinとgp91phoxの共発現を末梢血で確認出来た。このモデルではpaclitaxelを投与すると、1年間以上両蛋白の共発現が維持出来ていことが確認された。このことにより、MDR1-bicistronic vectorsが遺伝子治療に有用であることが証明された。
一方で、最近明らかになったp40phoxは活性酸素産生蛋白と同一の挙動を示し、PX/PB2,SH3 and PC motifを持つ特異な蛋白であることは分かっていたが、活性酸素産生系における意義が明らかでなかった。今回我々はp40phoxをK562細胞に遺伝子導入することにより、p47,p67phoxの細胞膜への移行を促進していることを細胞系を用いて明らかにした。一方で、PCmotifのD289A変異およびPB1 motifのK355A変異p40phoxでは促進が起こらないことから、p40phoxはPB1のp67phoxとの結合やPCのp47phoxとの結合することにより細胞の活性酸素産生機構に関わっていることが明らかになった。
また、先に導入遺伝子のサイレンシングを克服しようとして開発されたMND retorovirusurs vectorベクターは、ウイルス力価が十分なものが得られない結果となった。
このような遺伝子治療の臨床応用には適応が問題となるが、現在安全な骨髄移植や維持療法の確立が重要である。この3年間で患者の実態調査と治療法の現状についても調査を行っているので、報告できる状態である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Yoshikazu Sugimoto, Satomi Tsukahara, Shigeo Sato, Mutsumi Suzuki, Hiroyuki Nunol, Harry L. Malech, Michael M. Gottesman., Takhashi Tsuruo.: "Drug-selected co-expression of P-glycoprotien and gp91 in vivo from an MDR1-bicistronic retrovirus vector Ha-MDR-IRES-gp91"Journal of gene Medicine. 4(in Press). (2003)

  • [文献書誌] 布井博幸, 林摩耶, 早見典子, 原田優, 林幹夫, 広瀬真次, 松本栄悠丁, 水間洋, 日高文郎, 外山誠也, 水上智之: "小児免疫不全"臨床と研究. 79巻8号. 1404-1410 (2002)

  • [文献書誌] Kuribayashi F, Nunoi H, Wakamatsu K, Tsunawaki S, Sato K, Ito T, Sumimoto H: "The adaptor protein p40(phox) as a positive regulator of the superoxide-producing phagocyte oxidase"The EMBO Journal. 21.23. 6312-6320 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi