研究概要 |
平成12年度には素材、デザインの研究と、そのデザインのもとに試作品を作り、改良を加えた。出願特許関係のリサーチを行い、既存の特許に抵触しない方法、デザインを考えた。 平成13年度は開発の方向性とデザインがほぼ決定し、試作品の拡張時の記憶法、表面処理法の改良を行った。 平成14年度はステントを目的臓器へ挿入するためのdeliveryの開発と、デリバリーへのマウント法の確立、ステントの生物学的安全性の検討を行った。最終デザインのもとに特許を出願した。 薄い均一なニチノールパイプを複雑な収縮した状態のデザインでカットし、目的の太さまで徐々に拡張後、ニチノールに記憶処理を行う。その後金属表面を研磨する。その金属表面が電子顕微鏡を用いて期待されているような表面に処理されてるかを確認する。 記憶金属の拡張処理後にもとの小さな形状にもどして、小さな筒状のdeliveryに格納することは容易でなく、低温処理、マウント工具の開発に時間がかかった。この技術もようやく解決のめどがたち、ステントがマウントされた状態の試作品が完成した。 自己拡張型である利点を生かすべき柔らかで、且つスムーズな挿入可能なdeliveryの試作を行った。総合的に我々の開発したステントの物理的特性を引っ張り試験、曲げ試験などを行いやわらかな特徴であることを確認した。 さらに、生体安全性試験として、生犬の腸骨動脈にステントを留置して、既存のステントの比較実験を行った。Deliveryの開発が遅れたため、予備実験の短期成績で有意な内膜肥厚抑制効果を認め、良好な成績も期待されると思われる。 研究成果はInnevision17;9,2002、に公表しInternational Congress of Radiology 2002(Mexico)にて発表(Certificate of Merit賞を受賞)、さらに日本IVR学会総会(平成15年5月16日、神戸)のシンポジウムにて成果を発表予定である。
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