研究課題/領域番号 |
12557077
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
福田 敦夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (50254272)
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研究分担者 |
井上 浩一 浜松医科大学, 医学部, 助手 (80345818)
清水 千草 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
岡部 明仁 浜松医科大学, 医学部, 助手 (10313941)
上野 伸哉 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (00312158)
SHIMIZU Chigusa (OKABE Chigusa) JSPS Fellow, Post-Doc.
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研究期間 (年度) |
2000 – 2003
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キーワード | 塩素イオン / KCC2 / NKCC1 / GABA / 皮質形成異常 / 細胞移動 / reelin / てんかん |
研究概要 |
部分てんかんの原因として注目されている皮質形成異常は、神経細胞の発生・分化・移動の過程で生じた異常であり、神経細胞の配列や形態異常などの組織像を示すとともに病変自体がてんかん原性を有している。本研究課題では、皮質形成異常の成因やそのてんかん原性にCl^-ホメオスタシス異常によるGABA作用の過分極/脱分極の逆転が関わっている可能性を検討することを目的とした。まず、focal freeze-lesionによる局所的細胞移動障害モデルを作成し、Cl^-トランスポーター、GABA及びグリシン受容体サブユニット、細胞移動関連分子などのmRNAの発現変化をin situ hybridization法を用いて検討し、機能的変化をCa^<2+>イメージングやグラミシジン穿孔パッチクランプ法で解析した。その結果を、正常発達過程のラットやキンドリングモデルと比較して、細胞移動や層構造の異常及び発作波様異常興奮におけるCl^-ホメオスタシス、GABA/グリシン作用や電気生理学的特性の役割を解析した。次いでヒトてんかん原性皮質形成異常摘除組織でのCl^-トランスポーター(NKCC1=Cl^-取込,KCC2=Cl^-排出)と細胞移動関連分子(reelin)のmRNAの発現変化の解析を行い、モデル動物と比較した。その結果、モデル動物の異常皮質形成過程ではNKCC1発現上昇とKCC2発現低下、それに伴う細胞内Cl^-濃度([Cl^-]_i)上昇が認められたが、異常皮質完成後には正常組織と同等レベルに回復した。これに対し、成人のヒトてんかん原性皮質異形成組織(cortical dysplasia)では、Cajal-Retzius細胞でのreelinと神経細胞でのKCC2の持続的発現低下が示唆された。そこで、治療法開発への展開としてはNKCC1アンチセンスよりも神経細胞特異的なKCC2機能を活性化する因子に焦点を絞り、KCC2機能を蛋白レベルで制御する分子の検索を行った。
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