研究課題/領域番号 |
12557082
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
須田 年生 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118453)
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研究分担者 |
平尾 敦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90343350)
大保 和之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70250751)
尾池 雄一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (90312321)
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キーワード | 骨芽細胞 / 破骨細胞 / RANKL / ALCAM / 間葉系幹細胞 / 軟骨膜 / 血管進入 / ephrin-B2 |
研究概要 |
我々は、マクロファージ系前駆細胞を複数の抗体を用いて分離し、増殖因子としてのM-CSFが、骨芽細胞から産生される膜結合性蛋白RANKLと共存することにより、前駆細胞から破骨細胞分化が進行することを明らかにした。さらに、前駆細胞と骨芽細胞の接着が分化に不可欠であることを示し、破骨細胞分化が骨表面上でしか起きえないことを説明した。可溶性のRANKLでは、破骨細胞誘導能が低く、可溶性RANKLを多量化すると分化が効率よく進むことを確認した。また、RANKは、もともと樹状細胞からクローニングされた受容体で、樹状細胞分化においては、RANKLとGM-CSFの共存が必要であることを示した。さらに、本研究では、胎生期、肢芽軟骨膜にALCAM陽性細胞が存在し、FACSによりこれらの細胞を分離することに成功した。この細胞からは、骨細胞・軟骨細胞・脂肪細胞およびストロマ細胞の分化が試験管内で観察された。また、ALCAM接着分子は、骨への血管進入を促進することを明らかにした。さらに、血管内皮細胞の増殖は、破骨細胞、脂肪細胞層の上で促進され、逆に、軟骨細胞の上で抑制されることを明らかにした。後者においては、chondromodulin-1の他にephrin-B2が特異的に発現しており、これらの分子が血管の進入を制御していると考えられる。 本研究により、軟骨を経て骨化が進み、血管、破骨細胞の進入により、骨髄腔が形成され、骨芽細胞、血管内皮細胞を足場に、造血の場が形成される過程の分子解析が進んだ。
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