平成13年度は表記課題を達成するための準備期間として、下記のような実験を進めた。 1)下垂体で発見された48種の転写因子クローンのコレクションの整理を行い、データベース化をすすめた。 2)それぞれのクローンを大腸菌にトランスフォーメーションして、クローンの保存を行った。また、プラスミドDNAを調製しての、それぞれのベクターの特異プライマーを設計・合成して、塩基配列を決定し、'30種のクローンについて、発現ベクターに組み込むために合成プライマーを作製して、コード領域を増幅作業を進めた。 3)これまで12種のクローンについて、動物細胞、酵母、大腸菌での発現ベクターへの組換えを進めている。また、蛍光タンパク質を融合させた発現ベクターへの組込みも進行中である。順次にそれらの組込み部位の塩基配列解析をおこない、最終的な発現ベクターの構築を完了する。 4)転写因子間相互作用の解析を展開するために、酵母の発現系の準備を行い、14年度の研究の遂行の準備が整った。 5)転写因子の下垂体ホルモン遺伝子の発現調節への機能を解析するために、培養細胞発現系の準備を行った。バクテリアを使う相互作用検出系を導入するため、ベクターの構築と検出系の検討を行ったが、非特異的陽性クローンの頻発のためにアッセイ系に用いることが現時点では困難で有ることが確認された。 6)下垂体で発現する転写因子群の網羅的な解析を行うために、転写因子のDNAチップを用いたマイクロアレイ解析による大量解析系の検討を始めた。
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