研究課題/領域番号 |
12557101
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
前原 喜彦 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80165662)
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研究分担者 |
徳永 えり子 九州大学, 医学部附属病院, 助手 (50325453)
掛地 吉弘 九州大学, 医学部附属病院, 講師 (80284488)
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キーワード | マイクロサテライト不安定性 / 複製エラー / DNAミスマッチ修復 / 大腸癌 / HNPCC / 遺伝子ノックアウトマウス |
研究概要 |
ヒト腫瘍にみられるマイクロサテライト不安定性について、我々の研究グループが独自に確立した高精度解析系が、これまでには認識されていなかったマイクロサテライト不安定性の実態を明らかにした。悪性腫瘍でみられるマイクロサテライト不安定性には、実際には2つの質的に異なるカテゴリーが存在しており、配列長の変化が6-bp以内にとどまるものと、8-bp以上にもおよび、あたかも新しいアレルの出現をみたかのような変化を呈するものとにわけられる。我々はこれらをそれぞれType A、Type Bと呼んでいる。微細な変化を特徴とするType A MSlは放射標識プライマーとX線フィルムを用いた旧来の解析法では検知しにくいため、これまで一般にとらえられてきたマイクロサテライト不安定性は主にType Bであると考えられる。ところが、興味深いことに、ミスマッチ修復遺伝子に既知の欠損をもつヒトおよびマウス細胞を用いた詳細な検討はType Aがミスマッチ修復異常に直接起因する変化であることを明らかにした(未発表データ、投稿中)。このことは、Type βマイクロサテライト不安定性にはミスマッチ修復異常に加えて、まだ認識されていない未知の分子機序が存在することを示唆しており、このタイプのマイクロサテライト不安定性がそのほとんどにみられるHNPCCの病因には見落とされているものがある可能性が示唆された。マイクロサテライト不安定性とミスマッチ修復異常との関係はこれまで考えてこられたように単純ではなく、実際の腫瘍症例集団を対象としたさらなる解析を継続する必要があると考えられた。 末梢血中の癌細胞の定量的検出系については、RT-PCRで用いるマーカーとして適切な遺伝子の選定や、培養細胞株を用いたシミュレーション系の確立など継続的に研究を行っている。
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