研究課題/領域番号 |
12557104
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
岡 正朗 山口大学, 医学部, 教授 (70144946)
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研究分担者 |
上野 富雄 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (70284255)
吉野 茂文 山口大学, 医学部, 助手 (60294633)
硲 彰一 山口大学, 医学部, 助手 (50253159)
山本 光太郎 山口大学, 医学部・附属病院, 助手 (50304481)
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キーワード | 膵癌 / MUC1 / CTL / 細胞療法 / 樹状細胞 / ペプチド療法 |
研究概要 |
IL-18遺伝子導入癌ワクチン療法の基礎実験を行い、成熟型IL-18産生ベクターを用いることにより、腫瘍の完全拒絶が得られることを実験的に証明した。樹状細胞を誘導し、MUC1ペプチドにて刺激を行い、CTLを誘導した。誘導方法は、切除不能膵癌患者よりleukapheresisにて末梢血より単核球を分離し、プラスチック接着細胞を得る。同細胞をinterleukin-4およびGM-CSFにて6日間培養後MUC1ペプチドにて刺激を行う。さらにIL-4,GM-CSF,TNF-αを添加し、4日間培養後、再度MUC1ペプチドにて刺激を行い成熟型j樹状細胞を誘導する。flow cytometryにより成熟型樹状細胞が誘導できることを確認した。MUC1-CTLはmUC1高発現ヒト膵癌細胞株と患者リンパ球を混合培養し、IL-2添加培養にて誘導した。肝転移を有する2例の切除不能例に、樹状細胞とMUC1-CTLにて治療したところ、1例で6カ月間のNCを得た。膵癌切除例では、MUC1-CTLを術後投与し、肝転移再発は完全に防止できた。また、副作用は全く認められず、QOLは良好に保たれ、短期の生存率は有意に改善した。今後、症例を重ねその有効性を検討する。ペプチド療法では、MUC1ペプチドによる第I相試験を行い、現在のところ毒性は認めず、10例を目標に進行中である。なお、HLA-A24拘束性の腫瘍拒絶抗原ペプチド13種類、HLA-A02拘束性の腫瘍拒絶抗原ペプチド13種類を用い、それぞれにHLAの合致した切除不能膵癌患者に対して、第I相試験を行う。
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