研究課題/領域番号 |
12557106
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
片野 光男 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (10145203)
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研究分担者 |
田中 雅夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (30163570)
森崎 隆 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (90291517)
居石 克夫 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70108710)
桟敷 俊信 九州大学, 大学院・医学研究院, 助手 (20315089)
松田 武久 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (60142189)
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キーワード | 人工腹膜 / 人工免疫産生装置 / 人工リンパ節 / 人工血管 / 移植 / IFN-γ / 癌性腹膜炎 |
研究概要 |
本研究は、平成12年度および13年度の二年間において、腫瘍免疫と分子生物学および医用工学の最先端の知識と技術を統合して新たな癌性腹膜炎治療法を開発することを目標とする。本年度(平成12年度)の計画案に沿って研究結果を概説する。 (1)人工腹膜の改良:一層の腹膜中皮細胞を有する線維芽細胞を含むタイプIコラーゲン層(人工腹膜)をラットおよびヒトの系で作成する方法を確立した。さらに、この人工腹膜に臍帯静脈由来の血管内皮細胞を組み込み、血管網が形成されることを確認した。現在、形成される血管網の性格を解析中である。(2)人工腹膜固定材料の開発:(1)で作った人工腹膜は、特別の処置なしに、ラットに人工的に作成した腹膜欠損部の被服材料として使用可能であることが、ラットに人工腹膜を逢着する実験により判明した。この人工腹膜移植系を用いて、移植人工腹膜の病理学的検討を開始している。(3)人工サイトカイン産生装置の改良:細胞の移動はできないが、高分子物質の移動の可能な多孔性のポリウレタンに、人工結合織(タイプIコラーゲンと線維芽細胞からなる)にリンパ球を添加注入し、第一世代の人口リンパ節を作成した。(4)腹膜中皮細胞およびリンパ球へのIFN-γ遺伝子導入:リポフェクション法での導入は安定したが、長期間のIFN-γ産生系を工夫中。(5)癌性腹膜炎モデルの作成:(1)において血管内皮細胞の共存する人工腹膜を作成したが、この系を用いて癌細胞、腹膜中皮細胞、線維芽細胞、血管内皮細胞を顕微鏡下に個々の細胞レベルで解析可能な系を開発中である。
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