研究分担者 |
岡田 克典 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (90323104)
松村 輔二 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (80281997)
佐川 元保 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (70292274)
谷田 達男 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (20217144)
佐藤 雅美 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (30250830)
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研究概要 |
臓器移植法が施行され脳死移植も行われるようになったが,慢性的なドナー不足が今後起きてくることは,諸外国の例を見ても明らかである.腎移植における透析,心移植における埋め込み型人工心臓のようなブリッジになりえる医療技術が肺移植においても必要とされているが,現在のところ充分なものはない.Liquid Ventilationは,液体を用いて換気を行なうことであり,すでに急性肺障害における臨床的有用性が示唆されているが,肺に液体を入れることそのものは,社会生活を営むことを不可能にするため,ブリッジとしての医療にはなりえない.Liquid Ventilationに用いられるPerfluorocarbonは,肺胞以外でもガス交換が可能であり,腸管からでも血液を酸素化できる可能性がある.腸管を切除し,盲管としてガス交換に用いることにより生体の機能を損なうことなく社会生活を営むことが可能である.今回の研究はPerfluorocarbonを用いたLiquid Ventilationを腸管を用いて行なうことにより,肺移植までのブリッジとしての医療技術として実用化しようとするものである.本年度は,Perfluorocarbon中の酸素が培養細胞を介して反対側の培地内へ移行する効率を種々の条件で測定することを試みるとともに,細胞障害に関して検討した.移行効率は,必ずしも再現性のある結果を得ることは容易ではなかったが,徐々に安定した結果が得られるようになってきており,今後,動物実験へと進めていく予定である.
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