研究概要 |
1.てんかん外科治療における脳磁図解析方法およびその有用性の確立 前年度報告書において記載した解析方法の普及化により客観的な解析が可能となり,内側型側頭葉てんかん以外の新皮質てんかん症例への応用を行った.とくに両側同期生異常波を頭皮上脳波で認める症例において,脳磁図解析により左右伝播の実態が把握可能となり,側方性の決定に有用であることが示された.新皮質てんかんで器質性病変を有する症例において,病変周囲脳に推定された異常波の信号源は脳表脳波測定結果と良好な相関が確認された. 2.機能的MRI解析方法の確立 言語,運動機能は統計学的解析方法により側方性,局在の精度が向上した.また今年度新たに導入した視覚画像投射装置により視覚性認知に関与する高次機能局在診断が可能となった. 3.脳磁図測定結果の術中ナビゲーションシステムヘの入力方法開発 3次元HRI画像を脳磁図解析用ワークステーションヘ転送し,脳磁図解析結果をこれに投射させ,さらに統合された画像データファイルの変換を行い,これをナビゲーションシステム用の別のワークステーションヘ転送させ,統合画像をそのまま手術中のナビゲーション画像として使用した. 4.頭蓋内電極留置術による脳表脳波測定結果と脳磁図測定結果の比較検討 上記3の成果に伴い,脳表脳波測定結果と脳磁図測定結果の視覚的な比較検討が行えるようになり,術前非侵襲的検査である脳磁図測定結果の精度検証が可能となった.
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