研究概要 |
本年はまず、バイオアッセイ法により血液の感染性を検査することに着手した。CJD孤発例患者の血液を集め分画に分けずに、20マイクロリッタをノックインマウス(Ki-ChM)の脳内に接種した。発症まで観察し、免疫組織学的診断を含めて確定診断の予定である。これに感染性が認められれば、最も感染性が高いと考えられている白血球、次に感染性を有するプラズマ分画に分け、さらにクリオプレシピテート、フィブリノゲンとイムノグロブリンとを含むフラクションにわけ、それぞれの感染を測定する予定である。 感染力価の測定には検量線を作製するためにend-point assayが必要である。この基準値を得るために、CJD孤発例の患者脳ホモジネートの10^<-1>,10^<-2>,10^<-3>,10^<-4>,10^<-5>,10^<-6>,10^<-7>の希釈系列を作製し、検定するKi-ChMマウスにそれぞれ接種した。これにより、血液、もしくはその分画中の潜伏期間を知ることにより、脳の感染価に比した感染力価が検出可能となる。 3ヶ月を経過して観察中であるが、今のところ変化は認められない。
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