研究概要 |
片麻庫患者の下垂足歩行に対する機能的電気刺激による制御のため、大腿側面に装着した加速度センサーを用い、健常者歩行を検討した。測定には加速度センサーADXL202(Analog Devices社製)を用いた。1平面上の直交する2方向の加速度を検知するものであり、歩行中の大腿の重力方向と進行方向の加速度を測定できる。加速度センサーの装着位置は片側大腿側面、高さは大転子と大腿骨外顆を結ぶ線の中点の高さとした加速度センサーとheel sensor間で遊脚期開始のタイミングの相違は最大60msecであり、その差は遊脚期間の5%であった。このことより、下垂足歩行矯正のFESにおいて圧センサーにかわりに加速度センサーを使用することで装着が簡便になると同時にシステムが小型化しさらに実用性が高くなると考えられる。さらに片麻痺患者群では,ニューラルネットワークの出力は,健常者とわずかしか違わず,ほぼ正確に遊脚,立脚を認識した.加速度センサーとheel sensor間で遊脚期開始のタイミングを計ると健常者では最大60msecであり,片麻痺患者では80msecであった.その差は遊脚期間のそれそれ5%と12%であった.次いで,加速度センサーを用いて実際の脳梗塞片麻痺患者の歩行再建を行った.その結果,マイクロコンピュータからの圧出力が圧センサーの信号とほぼ同じタイミングに出力された.遊脚期開始のタイミングの相違は,全歩行の86%は遊脚期開始前後80msec以内に収まっていた.歩行を観察すると,患者の下垂足歩行は矯正されており,患者もAHSS使用時と比較して自覚的に違和感なく使用できた.
|