研究課題/領域番号 |
12557135
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
田中 憲一 新潟大学, 医学部, 教授 (10126427)
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研究分担者 |
相田 浩 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (50313531)
藤田 和之 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (80219005)
高桑 好一 新潟大学, 医学部, 助教授 (80187939)
常木 郁之輔 新潟大学, 医学部・附属病院, 助手 (50303152)
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キーワード | 家族性卵巣がん / BRCA1 / 連鎖解析 |
研究概要 |
1.家族性卵巣癌80家系を解析し、39家系(48.8%)にBRCA1、5家系(6.3%)にBRCA2の突然変異を認め、家族性卵巣癌におけるBRCA2の関与と、BRCA1の関与がBRCA2の約8倍であることを明確にし、本邦におけるBRCA1の卵巣癌生涯浸透率を0.78と算出した。さらにBRCA1に突然変異の認められた39家系中、日本人に多く、特有と推定されるBRCA1突然変異型3種(T307A、C2919T、2507delAG)を同定し、我が国の家族性卵巣癌におけるBRCA1、2の関わり、欧米との相違点を明らかとした。 2.BRCA1、2遺伝子に変異の認められない家族性卵巣癌28家系を対象として、ゲノム全域についてノンパラメトリック連鎖解析を行い原因遺伝子領域の限定を行った。その結果、multipoint analysisにてNPL(Non-Parametric Linkage)scoreが2.0以上を示した領域は、3p24-25(NPL=2.7)、17p12-13(NPL=2.1)であった。特に3p24-25においてはtwopoint analysisでも同領域19cM内の11マーカーでp-valueが0.05以下を示し、連鎖の存在が確認された。LOH(Loss of Heterozygosity)解析では、同領域内の13マーカーにおいて50%を越える遺伝子欠失が確認され、癌抑制遺伝子の存在が示唆された。さらに候補領域を限定するため、同領域に200kbごとのマイクロサテライトマーカーを設定し、case-control association study(患者対照相関解析)による詳細な原因遺伝子領城の限定を行った。その結果、3p24-25の20cM内に設定した100マーカーのうち9マーカーでp-valueが0.05以下を示し、同マーカー近傍に新規原因遺伝子の存在する可能性が示唆された。
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