研究課題/領域番号 |
12557143
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
島田 昌一 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (20216063)
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研究分担者 |
植田 高史 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (90244540)
平林 義章 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (30181184)
村上 信五 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (80157750)
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (20326135)
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キーワード | 味覚受容体 / 味覚修飾物質 / 受容体 / クローニング / 遺伝子 / 順応 |
研究概要 |
酸味受容体遺伝子の応答を抑制する物質として、セリンプロテアーゼのニューロプシンを同定した。トリプシンなどの他のプロテアーゼでは、この酸味受容体に対する修飾機能は認められなかった。ニューロプシン分子のプロセッシングを受ける前のプレ体では、この酸味受容体に対する機能修飾は全く認められず、プロセッシングを受けた後の活性型のニューロプシンがpH5.0で酸味受容体の応答を抑制した。この抑制機構はリバーシブルで投与したニューロプシンをバッファーで洗い流すとその抑制効果も消失した。まだ、一種類ではあるがニューロプシンの部分ペプチドを投与したが、酸味受容体の抑制効果は得られなかった。 一般に味覚では順応が起こり、同じ味覚刺激でも一定の時間さらされていると、その味覚に対する感受性が低下してくる。酸味受容体遺伝子を発現させた系においてもpHを下げたときに得られる応答は、速やかに脱感作して小さくなる。つまりこの結果は末梢の受容体レベルでも順応の現象が起こっていることを示唆する。我々は、最近ラット有郭乳頭から新たに酸味受容体イオンチャネルの新しいサブユニット(MDEG2)を同定した。このMDEG2サブユニットがMDEG1と同一の味蕾細胞に共存していることを、免疫組織化学法により証明し、さらにMDEG2が酸味受容体応答の順応の度合いを調節していることをMDEG1とMDEG2を同時にアフリカツメガエル卵母細胞に発現させた系を用いて証明した。
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